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“巨人の200cm新巨人”秋広優人 身長だけでなく存在価値も超デカいワケ【馬場200cm、藤浪197cm、大谷は?】
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byMakoto Kemizaki/Kyodo News/Hideki Sugiyama
posted2021/03/12 11:04
駒田徳広(左)や大谷翔平(右)ら190cm台の選手はいたが、200cm超の秋広優人は185cmの岡本和真が小さく見えるのだから、やはり貴重である
なぜストライクゾーンが“広くなってしまう”のか
公認野球規則ではストライクゾーンは「打者の肩の上部とユニフォームのズボンの上部との中間点に引いた水平のラインを上限とし、ひざ頭の下部のラインを下限とする本塁上の空間」と規定されている。「横幅」はホームベースの大きさだからすべての打者は同じ条件だが「縦幅」が大きく違うのだ。
打者の構え方によって審判のジャッジは微妙に変わるだろうが、190cmの打者と、170cmの打者では、ストライクゾーンの縦幅は10cm以上違うはずだ。要するに大型打者は「的が大きい」のだ。
投手は大型打者に対してはストライク先行の有利な投球をすることができる。その上高身長の打者は内角の面積も大きいので、投手は思い切った内角攻めもやりやすい。
また高身長選手は腰やひざに負担がかかりやすいとされる。このために故障しやすいとされた。さらに昭和の時代までは「大型選手は動きが鈍い」というイメージもあった。
プロ野球のスカウトは、大型選手には注目するが、こと野手に関しては190cmを超す超大型選手は、敬遠する傾向にあった。秋広がドラフト5位まで残っていたのもそういうことではないか。
外国人を含めて全体の約8%が190cm以上
しかし、それは過去の話になるだろう。日本人の体格は飛躍的に向上している。
3月2日に発表されたNPBの今季の選手一覧によれば、育成も含めた951選手の内、190cmを超える選手はオリックスのモヤ、DeNAの育成新外国人スターリン・コルデロの201cmを筆頭に76人いる。これは全体の約8%にあたる。
日本人選手に限っても38人が190cm以上。このうち投手は30人だが、内野手、外野手もそれぞれ4人いる。以下、190cm以上ある選手を列記してみる。
〇200cm
秋広優人(巨/内野手)、阿部剣友(巨/投手)
〇199cm
大窪士夢(西/投手)
〇197cm
藤浪晋太郎(神/投手)
〇196cm
国吉佑樹(De/投手)、アドゥワ誠(広/投手)、椎野新(ソ/投手)
〇194cm
藤谷洸介(神/内野手)
〇193cm
杉山一樹(ソ/投手)、笹川吉康(ソ/外野手)、水谷瞬(ソ/外野手)、弓削隼人(楽/投手)
〇192cm
丸山翔大(ヤ/投手)、河村説人(ロ/投手)、石川直也(日/投手)、万波中正(日/外野手)
〇191cm
松井義弥(巨/内野手)、嘉手苅浩太(ヤ/投手)、土居豪人(ロ/投手)、渡邉勇太朗(西/投手)、中塚駿太(西/投手)、上原健太(日/投手)、吉田一将(オ/投手)
〇190cm
太田龍(巨/投手)、横川凱(巨/投手)、岡本大翔(巨/内野手)、望月惇志(神/投手)、三上朋也(De/投手)、ケムナ誠(広/投手)、佐々木朗希(ロ/投手)、二木康太(ロ/投手)、髙橋光成(西/投手)、内星龍(楽/投手)、清宮虎多朗(楽/投手)、杉浦稔大(日/投手)、山﨑颯一郎(オ/投手)、杉本裕太郎(オ/外野手)、佐藤一磨(オ/投手)