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宇都宮・安齋HCの『スラムダンク』への愛と考察がスゴい「木暮の『2年間も待たせやがって』というコメントは…」
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byTOCHIGI BREX INC.
posted2021/02/26 11:02
宇都宮ブレックスの安齋HCは『スラムダンク』の大ファンでもある
「サブキャラの存在意義が描かれているんです」
――そんな秘話が!
「あと、今回読み返して初めて気づいたこともあって。湘北と陵南の試合って、サブキャラの良いところがたくさん出てくるんですよね。それは負けた陵南でも」
――確かにそうですね。
「陵南の越野(宏明)がスティールしかけて、ラインの外まで飛び出していって。ボールは奪いきれなかったけど、ベンチが『まだいけるぞ』という空気になったり。池上(亮二)のディフェンスの頑張りもそう。それでいて、最後には湘北の木暮の3Pが決まる。大事なところで主役や主力以外の選手の活躍が見られて。彼らの存在意義みたいなのが描かれているんですよね。うちもそういうチームにしたいと考えていますし、『そういうチームって、やはり強いんだ』と思えるし、それを漫画で表現してもらっていて……」
――むしろ、感謝されているくらいなんですね(笑)。
「しかも、それをあの時代(1990年から96年にかけて週刊少年ジャンプで連載)に描かれてますからね。一部のメインの選手しか試合に出ていないことが昔は多かったので。今とは全く違う時代にあのような話を入れてくるのはスゴイことですよ」
「ベストファイブを選ぶのは難しいです(笑)」」
――井上先生に先見の明があったということですね。
「ずっと不思議に思っているのは、“あの時代に”仙道をPGにする発想はどこから出てきたのかなということで。現代では身長の高い選手がPGを務めるのが普通になっていますし、うちのチームでも(エースで日本代表の)比江島(慎)をPGに挑戦させた方が良いなと思ったときもありました。でも、井上先生はあの時代にそのアイデアを考えていた。こういう時代になると予見していたのか(笑)。時代を先取りしてますよね」
――ちなみに『スラムダンク』のキャラのなかでベストファイブを選ぶとしたら?
「うーん……。ベストファイブを選ぶのは難しいです(笑)」