マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
「野球やめなきゃいいな…」少年野球の現場で考えた“4~6mの差” なぜ“名キャッチャー”は生まれにくくなった?
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byGettyImages
posted2021/02/24 18:05
※写真はイメージです
私たちが子供の頃の野球は「草野球」だった。今のように整備された「野球場」などなかった代わりに、公園や原っぱだったから、自分たちで「サイズ」を決められた。
今の子供たちの野球は、大人たちに管理された「少年野球」が多い。たとえばバッテリー間とか塁間なども、ちゃんとサイズが決まっていて、それが選手の「技量」に見合っているかどうかは関係なく、そのサイズに合わせようとして必死になっている。
子供たちにとって、野球がすごく難しいスポーツになってしまってはいないか。
調べてみたら、少年野球にもグラウンドサイズの“決まり”はあるようだが、小学校低学年、高学年で微妙にサイズの違いがあって、ケースバイケースの要素も込められてあるようだ。ならば、子供たちの力量や野球に対する慣れの度合いによって、子供たちが楽しく「野球」ができるぐらいのサイズに、大人たちが“案配”してあげたらどうだろうか。
規定によると、たとえばバッテリー間は14~16mという距離が一応定められているようだが、私たちが楽しく草野球に興じていた頃の“それ”は、実は10mちょっとだった。
プレートの前に白線をひいてはどうか
この10mちょっと。実際に、私の「ホームグラウンド」の公園に久しぶりに行ってみて「こんなに狭い公園だったのか……」と驚きながら測ってみたサイズだ。
だから、ストライクがバンバン来たんだ……だから、ガンガン打てて、次々打球が飛んで来て、誰も退屈することなく、歓声をあげながらボールを追いかけ続けていたんだ。
今の整備された少年野球用のグラウンドには、ちゃんとしたマウンドがあって、プレート板が埋めてある。しかし、そこから投げて、「野球」にならないレベルの選手たちだったら、プレートの何mか前に白線をひいて、彼ら用の「プレート」を設定してあげたらよい。
それに合わせて、内野のベースも前に出してあげる。要は、子供たちの野球にとって、「快適なサイズ」なのかどうかだろう。
「奪三振の快感」
この方法で野球ができたら、間違いなく面白くなる。特に「キャッチャー」は面白くなるぞ!