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西の雄・琉球ゴールデンキングスに訪れた“我慢の時” 藤田HCが語る打開のためのチームの原点とは
posted2021/01/30 11:00
text by
カワサキマサシMasashi Kawasaki
photograph by
B.LEAGUE
昨季まで3シーズン連続の、西地区1位フィニッシュ。今や琉球ゴールデンキングスが“西の強豪”と評されることに、異論を挟む余地はないだろう。東西2地区制に改められた今季も、シーホース三河と熾烈な首位争いを展開している。
今季は開幕戦で宇都宮に連敗スタートも、その後は立て続けに11個もの白星を積み上げた。ところが11月半ばから、微妙に潮目が変わる。11月14・15日の信州ブレイブウォリアーズ戦を1勝1敗としたのを皮切りに、以後1月23・24日の京都ハンナリーズ戦まで土日で開催された計7節中、連勝できたのは12月19・20日の島根スサノオマジック戦のみ。それゆえ1月27日現在で21勝(9敗)と、序盤の勢いほど勝ち星は積み上がっていない。
勝利の波に乗り切れないもどかしさ
1勝1敗を繰り返す間に、気になる点がひとつ。それは初戦を勝利して翌日に敗れたケースが、5度もあること。どのヘッドコーチ(HC)も「同じチームに2日連続で勝つのは、容易ではない」と異口同音に言う。琉球の藤田弘輝HCも同じだ。アウェーに乗り込み、初戦に勝利したあとに敗れた12月の大阪エヴェッサ戦後に、連戦の戦いについてこう語った。
「同じ相手に連勝するのは、簡単ではありません。とくにアウェーでの2日目は、すごくタフなゲームになります。昨日は『相手にアタックされる前に、攻守ともに僕たちがアグレッシブにアタックしよう』と同じ言葉で言いました。ですが今日は、相手が先制パンチを打ってきた。僕たちはそれを受けるのではなく、ディフェンスもオフェンスも、アグレッシブにアタックしないといけないと思いました。自分たちも悪くはなかったですが、もっとハードに、2日目も高い意識を持ってプレーできるようにステップアップしないといけない。2日間とも、僕たちがチャレンジャー精神を持って仕掛けられるように、試合を作っていきたい」
直近の1月の京都戦でも、またも初戦に勝利しながら2日目を落としてしまった。両日とも終盤まで接戦にもつれ込み、順位で上位の琉球がイニシアティブを握り切れない展開。連携も微妙に噛み合わず、琉球にとってはアクセルを踏み込んではいるものの、踏んだ分だけの出力が得られないといったような、もどかしい内容だった。以下は、2戦目後の藤田HCのコメントである。