バスケットボールPRESSBACK NUMBER
NBAを目指して豪州でプレー、25歳馬場雄大が渡邊雄太と語り合った「信じてやるしかない」の意味
posted2021/01/30 17:00
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph by
Getty Images
馬場雄大の新たな挑戦が始まった。昨季はNBAダラス・マーベリックスの下部リーグ(Gリーグ)チーム、テキサス・レジェンズでプレーした馬場は、今季はオーストラリアのプロバスケットボールリーグ(以下、NBL)への参戦を決意。メルボルン・ユナイテッドの一員として、1月15日の開幕戦を迎えた。
昨季3月以来の実戦となったアデレート・36ers戦では途中出場ながら17分16秒プレーし、10得点、4リバウンド、1アシスト、1スティール。得意のダンクも2本決めてチームの勝利に貢献し、まずは好スタートを切っている。
「最終目標はNBA入り」と公言する馬場だが、新型コロナウイルスによるパンデミックで今季のGリーグ開催がはっきりしなかったため、アメリカではなくオーストラリア行きを選んだ。リモートで話を聞くと、その言葉の端々から、依然として熱いNBAへの想いが伝わってくる。海外でのキャリアも2年目を迎えた25歳は、世界最高のバスケットボールリーグとの距離感を今はどう捉えているのか。
◆◆◆
――開幕戦はダンクだけでなく、スティールやジャンプシュートなどかなり良い部分が出たのではないかと思いますが、ご自身の感想は?
「初戦ということもあって前半は緊張もあったんですけど、ゲームが進むにつれて自分の強みは出せました。ただ、満足はしていません。大事なのはこのプレーを続け、もっと伸ばしていけるかどうかです」
――どんなに実力や知名度がある選手でも、新しい環境では自分にまず何ができるかを示さなければいけないと思います。プレシーズン、開幕戦と、ある程度長所が出せたのは大きいですね。
「新しい場所で信頼を勝ち取るのは大変なことです。アメリカでの経験からそれを知った上で、オーストラリアではこうやって結果を残せている。監督やチームメイトからも『馬場はやれる』という信頼は少しずつ得られてきていると思います」
――開幕戦後の会見では、ディーン・ビッカーマン・ヘッドコーチが「このチームで最も速い選手」と馬場選手のスピードを絶賛していましたね。
「チームがかなり身体作りのトレーニングに力を入れているので、瞬発力が増し、スティールの一瞬の判断など速くなったと思います。全体に反応が良くなり、ディフェンスにしてもすべての技術が一段階上がったかなと感じます」
「“アジア人がどれだけできるのか”を見られている」
――開幕戦後にはいきなり全体会見にも登場し、少し驚かされました。現地にいないとわからない部分ですが、オーストラリアでも注目の存在になっているんでしょうか?