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久保建英の“姿勢が美しすぎるドリブル”を連続写真で解析  水沼貴史「スピードに乗った状態でも顔が…」 

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水沼貴史

水沼貴史Takashi Mizunuma

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photograph byDaisuke Nakashima

posted2021/01/20 11:01

久保建英の“姿勢が美しすぎるドリブル”を連続写真で解析  水沼貴史「スピードに乗った状態でも顔が…」<Number Web> photograph by Daisuke Nakashima

久保建英がヘタフェ初陣で決勝点に絡んだドリブルからカットインシュートの動き。一連の流れから水沼氏もスキルの高さを感じるという

 この姿勢の良さはドリブルをする上でとても重要な部分。常に顔が上がっている状態をキープできるからこそ、質の高い「状況判断」を生んでいるのだと思います。ドリブルなのか、スルーパスなのか、クロスなのか、シュートなのか。そして、周りに敵が何人いて、味方がどこにいるのか。こういった判断基準はすべて目から得る情報です。コンマ何秒の世界であっても優れた判断ができるのは、姿勢の良さが関係しているのです。

体幹の強さ、メッシのような細かなボールタッチ

 この姿勢をキープし続けるために必要なのが体幹の強さです。私たちの現役時代では「体幹」という言葉すらありませんでしたが(笑)、トレーニングを積んでいる成果が久保の体つきに表れている印象を受けます。大柄の選手たちを相手にしても粘り強さが出てきている。

 さらに久保は細かくボールタッチをするタイプです。わかりやすく言うと、メッシに近い。ボールを触る回数が多ければ多いほどスピードは遅くなりますが、メッシはそれでも速いですよね。相手より少しでも早く触ったり、直前で角度を変えたり……それを生み出しているのが体の強さやボディコントロール。

 こういった状況判断、速さはトップレベルの舞台で揉まれることでさらにレベルアップしていくと思います。だからこそ、久保が移籍会見で語った出場機会を求める“姿勢”は間違っていないと思いますよ。

ヘタフェ、マリノス…環境での変化を恐れない

 久保自身、この移籍に関しては相当悩んだことでしょう。ただ、5年後、10年後の自分をシミュレーションしたとき、今は何が必要か――久保はそういうことをしっかりと考えられる選手です。

 Jリーグ時代もマリノスに半年間レンタル移籍をしたことがあるように、以前から環境を変えることを恐れてはいません。もちろん、クラブが選手個人の意向を尊重する時代の流れや変化は大きい。それでもエルチェ戦の堂々たるプレーを見る限り、悩みはあったかもしれませんが、端から「迷い」はなかったように感じました。

【次ページ】 守備、ボールロストの減少、屈強な相手を抜き切る

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