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久保建英の“姿勢が美しすぎるドリブル”を連続写真で解析  水沼貴史「スピードに乗った状態でも顔が…」

posted2021/01/20 11:01

 
久保建英の“姿勢が美しすぎるドリブル”を連続写真で解析  水沼貴史「スピードに乗った状態でも顔が…」<Number Web> photograph by Daisuke Nakashima

久保建英がヘタフェ初陣で決勝点に絡んだドリブルからカットインシュートの動き。一連の流れから水沼氏もスキルの高さを感じるという

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水沼貴史

水沼貴史Takashi Mizunuma

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Daisuke Nakashima

ヘタフェに加入した久保建英は初陣のエルチェ戦で2得点に絡んだが、決勝点を呼び込むドリブルシュートの連続写真を現地在住のフォトグラファー中島大介氏が撮影していた。そこで久保のドリブルの凄みについて、解説者の水沼貴史氏に紐解いてもらった。

 新年早々、海の向こうから良いニュースが飛び込んできました。ヘタフェ移籍が決まった久保建英が、デビュー戦(対エルチェ戦)でいきなり点に絡む活躍を見せました。得点を挙げることはできませんでしたが、約25分という限られた時間の中でしっかりインパクトを残してくれましたね。

 なかでも投入直後のシーンには、久保の魅力が詰まっていました。

“逆デル・ピエロゾーン”のような

 右サイドにいた久保はボールを持つと、そこから中央へ切り込んで迷わず左足でシュート。GKが弾いたボールを前線の選手が押し込み、逆転弾をアシストした形になりました。

 このシーンは一番好きなスペース、場所でボールを受けられたのが大きかったように思います。“逆デル・ピエロゾーン”ではないですが、自分の良さを発揮できる場所を彼は持っていますからね。

 なぜ、いきなりいい形でボールを持てたのか。それは「この状況でボールを渡せばTAKEは仕事ができる」という共通認識をすでにチームがもっていたということ。実際に右サイドの久保に送られたボールは味方のワンタッチパスによるものでした。チーム合流から間もなく、連係を高める時間もなかったことを考えると、昨シーズンにマジョルカで見せたプレー、また限られた出場機会ではありましたが、ビジャレアルで見せたプレーが少なからず浸透してきたとも取れます。

 スカウティングを経て獲得されているわけですから当然ですが、改めてチームの足りないピースとして期待されていると感じました。

久保のドリブルはとにかく「姿勢」が良い

 今回はせっかくの機会なので、連続写真で見ながら久保のドリブルを見ていきましょう。

 こうやって改めて写真を並べると、久保のドリブルはとにかく「姿勢」が良いですね。頭の位置が変わらず、どんなにスピードに乗った状態でも顔が下がりません。

【次ページ】 体幹の強さ、メッシのような細かなボールタッチ

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