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【祝37歳】長谷部誠の“怪物化”にフランクフルト重鎮が感服… 本人は「カズさんには敵わない」と謙虚
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph byGetty Images
posted2021/01/18 18:00
ここ数年、長谷部誠のプレーヤーとしての評価は高まるばかりだ。そのプレーをまだまだ、見ていたい
今季のブンデスリーガ年長選手の5人は上から以下です。
1位の長谷部に続いて、FWベダド・イビセビッチ(シャルケ/36歳5カ月)、GKミヒャエル・ランガー(シャルケ/36歳)、DFルカシュ・ピシュチェク(ドルトムント/35歳7カ月)、GKフィリップ・ペントケ(ホッフェンハイム/35歳6カ月)の順です。
このうち、今季出場数が最も多いのは長谷部で12試合(第16節終了現在)。次いで、イビセビッチとピシュチェクが4試合、GKのランガーとペントケは1試合出場に留まっています。このデータからも長谷部がチーム内で担う役割の大きさと、如何に現実離れした実績を築き上げているかが分かります。
ちなみにイエロー4枚、整っている……のか?
ちなみに長谷部は、ここまで4枚のイエローカードも受けるなど、相変わらずお茶目な一面も見せています。一体どこの誰が「整っている」のか、問い質したいところです。
現状のアイントラハトのチーム編成を見る限り、今後も長谷部は何らかのポジションで重要な役割を任されるはずです。直近の試合で守備的MFを任されたのは、本来レギュラーMFのセバスティアン・ローデが負傷欠場していたのに加え、ヒュッター監督のレッドブル・ザルツブルク(オーストリア)時代の教え子で、昨季途中にRBライプツィヒから移籍加入したシュテファン・イルザンカーのパフォーマンスがなかなか上がらないことも一因のようです。
中盤でリベロ的な風情を漂わせて
長谷部は3バックのリベロ、4バックのセンター、もしくは「背番号6」でプレーできるマルチプレーヤーとして捉えられるでしょう。それでも、ベテランの域に達している長谷部が中盤の底で高質なプレーを実践できると予想できた方は少なかったはずです。
今の長谷部は、さながらミドルエリアでリベロ的な風情を漂わせているように見えます。パスを受ける際のポジション取りや、ワンタッチ、もしくはツータッチでパスをさばく仕草には余裕が感じられますし、味方選手へのコーチングが頻繁な点も最後尾での所作と何ら変わりません。