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【祝37歳】長谷部誠の“怪物化”にフランクフルト重鎮が感服… 本人は「カズさんには敵わない」と謙虚
posted2021/01/18 18:00
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph by
Getty Images
ドイツ・ブンデスリーガのアイントラハト・フランクフルト(長谷部誠と鎌田大地が所属)はリーグ第15節アウェーのマインツ戦、第16節ホームのシャルケ戦に勝利して、今季初の4連勝を果たしました。
公共交通機関を利用して約1時間の距離にあるフランクフルトとマインツを本拠とするチームの対戦は『ライン・マインダービー』とも称されますが、アイントラハトが敵地でこのダービーに勝利したのは実に34年ぶりのことになるそうです。
ただ、アイントラハトのサポーターからするとマインツ戦を『ダービー』とするのは、なんだか承服できない様子です。知人のドイツ人アイントラハト・サポーターに聞くと、「近隣の目の敵は、ダルムシュタットなんだよね(フランクフルトからダルムシュタットまでは公共交通機関で所要時間約20分)。マインツ? 特に眼中にないよ」とのこと。
それでも今回のマインツ戦の勝利は嬉しかったようで、知人は「これでヨーロッパ(来季のUEFAヨーロッパリーグ出場権獲得圏内の6位以内)が見えてきたね!」とオンラインの映像を通して鼻高々な様子でした。
チームが抱える“高齢化”という悩み
第11節までのアイントラハトは、なかなか積み上がらない勝ち点に思い悩んでいました。敗戦したのはバイエルン・ミュンヘン戦とボルフスブルク戦のみですが、第11節までに7つの引き分けがあり、それが順位低迷の一因になっていたのです。
チームを率いるアディ・ヒュッター監督は例年通りに3バック、4バックとシステム変更を試みてチーム戦術の微調整を行いましたが特効薬にはならず、幾つかの選手起用策も功を奏さず、ジレンマを抱える期間が長く続きました。
アイントラハトには、チームの高齢化という悩みもありました。今季のブンデスリーガ1部で最も若いスターティングメンバーを組んだクラブベスト3は、1位:1.FCケルン(23.3歳)、2位:VfBシュツットガルト(23.4歳)、3位:RBライプツィヒ(24.2歳)である一方、アイントラハトの平均年齢は29.6歳。これはウニオン・ベルリンの28.9歳、バイエルンの28.8歳を大きく上回る、リーグで最も高い数字です。
アイントラハトのクラブサイド、および現場を束ねるヒュッター監督はこの点を憂慮し、来季以降のチーム構想や将来性のある若手選手の移籍による資金獲得など、各種プランを加味しながらチームを編成する必要に迫られていました。
ブンデス最年長選手となった長谷部
日本のサッカーファンの方ならばご存知の方も多いでしょうが、今季のブンデスリーガ最年長選手はアイントラハトに所属する長谷部誠です。