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山川穂高、森友哉…打ってナンボの西武が軒並み不調の要因は “秋山翔吾の出塁力”喪失か【記録で振り返り】
posted2021/01/14 17:01
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Nanae Suzuki
もともと「打ってナンボ」のチームだっただけに、バットが湿っては勝てない。2020年の西武は打線がヘコんだことがすべてだった。
<2020年チーム成績>
58勝58敗4分 勝率.500(3位)
打率.238(5位)本塁打107本(3位)459打点(4位)85盗塁(4位)
防御率4.28(6位)35セーブ(1位)90ホールド(3位)106被本塁打(4位)
<ここ3年間のパ・リーグRC(Runs Created/打者の総合指標)5傑>
〇2018年
1秋山翔吾(西)127.53
(603打195安24本82点15盗 率.323)
2柳田悠岐(ソ)126.52
(475打167安36本102点21盗 率.352)
3山川穂高(西)125.21
(541打152安47本124点0盗 率.281)
4吉田正尚(オ)112.46
(514打165安26本86点3盗 率.321)
5浅村栄斗(西)108.30
(565打175安32本127点4盗 率.310)
〇2019年
1吉田正尚(オ)114.45
(521打168安29本85点5盗 率.322)
2秋山翔吾(西)109.54
(590打179安20本62点12盗 率.303)
3森友哉(西)108.06
(492打162安23本105点3盗 率.329)
4山川穂高(西)104.50
(524打134安43本120点1盗 率.256)
5浅村栄斗(楽)100.63
(529打139安33本92点1盗 率.263)
〇2020年
1柳田悠岐(ソ)116.04
(427打146安29本86点7盗 率.342)
2吉田正尚(オ)95.75
(408打143安14本64点8盗 率.351)
3浅村栄斗(楽)95.59
(432打121安32本104点1盗 率.280)
4近藤健介(日)87.23
(371打126安5本60点4盗 率.340)
5西川遥輝(日)86.41
(422打129安5本39点42盗 率.306)
森に山川、さらには外崎に中村がいた
2018、2019年とパ・リーグのRC上位5傑には西武の選手が3人含まれていた。
2019年には浅村栄斗が楽天に移籍したが、秋山、森、山川が2~4位を占め、さらに外崎修汰が6位(95.34)、中村剛也が10位(90.61)にいた。中心選手が抜ければ替りの選手が後釜に座って活躍する。そしてベテランの中村も久々に復活。好循環になっていたのだ。
しかし2020年の西武の最高は、新外国人スパンジェンバーグの65.77(9位)。試合数が少なくRCの数値は下がっているにしても、大山脈のような西武打線は一気に崩れ去った。
2020年の西武打線をあらためて見てみよう。RC順に並べている。
1 スパンジェンバーグ 65.77
(407打109安15本57点12盗 率.268)
2 栗山巧 57.81
(372打101安12本67点0盗 率.272)
3 外崎修汰 55.48
(433打107安8本43点21盗 率.247)
4 山川穂高 55.25
(322打66安24本73点0盗 率.205)
5 源田壮亮 51.84
(455打123安1本21点18盗 率.270)
6 森友哉 45.30
(358打90安9本38点4盗 率.251)
7 木村文紀 29.82
(264打61安8本33点5盗 率.231)
8 中村剛也 29.43
(258打55安9本31点0盗 率.213)
9 金子侑司 28.81
(301打75安3本21点14盗 率.249)
10 メヒア 25.72
(237打49安11本33点0盗 率.207)
西武が誇る山川穂高、森友哉、中村剛也、外崎修汰の強力打線が軒並み成績を急落させた。2019年の4人の本塁打数は合わせて122本、これが2020年は50本にまで減った。そんな中では今年38歳になる栗山巧が渋い働きをして打線を支えたのは救いではあったが、打線の迫力は半減した。
しかし本当に痛かったのは、彼ら長距離打者の不振ではない。