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楽天・パ上位戦力も夏場に失速の“悪癖”… 対策は石井一久監督必殺の大胆トレードでは【記録で振り返り】

posted2021/01/14 17:00

 
楽天・パ上位戦力も夏場に失速の“悪癖”… 対策は石井一久監督必殺の大胆トレードでは【記録で振り返り】 <Number Web> photograph by Kyodo News

楽天の指導陣とコミュニケーションをとる石井一久監督。夏場以降に停滞しがちな楽天を変えるような采配、人事を見せられるか

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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 シーズン前から戦力的にソフトバンクの対抗馬と思われていた2020年の東北楽天ゴールデンイーグルスだが、中盤からぐずぐずと崩れて脱落していった。

 <2020年チーム成績>
 55勝57敗8分 勝率.491(4位)
 打率.258(1位)本塁打112本(2位)534打点(1位)67盗塁(6位)
 防御率4.19(5位)28セーブ(4位)103ホールド(2位)110被本塁打(5位タイ)

 <楽天の月間勝敗>
 6月 7勝3敗0分
 7月 12勝13敗1分
 8月 12勝12敗2分
 9月 12勝14敗0分
 10月 10勝13敗3分
 11月 2勝2敗2分

 ソフトバンクが6月に3勝6敗1分と躓くのを横目に見ながら、楽天はスタートダッシュに成功した。しかし7月以後は貯金を全く増やすことができず、秋口になってロッテ、ソフトバンクとの競り合いになるとずるずる脱落した。

最多勝・涌井は前半戦、圧倒的だったが

 楽天の序盤の快進撃の原動力は何といっても、2020年から加入した涌井秀章だろう。6月24日の日本ハム戦に先発して白星を挙げた涌井は、8月19日の日本ハム戦まで9試合で8勝0敗。圧倒的なエースとして君臨した。

 しかし以後は3勝4敗、最終的に史上初の「3球団での最多勝」という快記録を達成したものの、チームも涌井の快進撃が終わるとともに、失速したという状況だ。

 <2020年の楽天、先発投手陣※松井裕樹は先発成績のみ>
 涌井秀章 20試11勝4敗130回 率3.60
 則本昂大 18試5勝7敗109回 率3.96
 塩見貴洋 16試4勝8敗84.1回 率4.80
 石橋良太 13試1勝6敗63.1回 率6.11
 岸孝之 11試7勝0敗67.1回 率3.21
 松井裕樹 10試3勝3敗51.2回 率3.66
 弓削隼人 10試3勝2敗50.1回 率5.01
 瀧中瞭太 8試2勝1敗45回 率3.40
 福井優也 7試0勝4敗29.2回 率5.46

再び救援になった松井裕樹、負けが込んだ則本

 2020年の楽天先発陣の目玉は、涌井ではなくクローザーから転向した松井裕樹のはずだった。しかし松井は防御率こそ3.66と並みではあるものの先発51.2回で932球。イニング当たりの球数は18球と多く、長いイニングを託すことができなかった。松井は9月24日のロッテ戦を最後に、救援に再転向した。

 またエースとして長年活躍してきた則本昂大が、5勝7敗と負けが込んだ。18登板で10QS(6回以上投げて自責点3以下、先発の最低限の責任)とそれほどひどい成績ではなかったが、勝ち星に恵まれなかった。

 涌井の白星街道がストップするのと入れ違いに、出遅れていた岸孝之が調子を上げて9月20日以降7試合オールQSで6連勝と目覚ましい活躍を見せた。ただし涌井と岸を除く先発陣の成績は、18勝33敗、防御率4.65にまで下がる。

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