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山川穂高、森友哉…打ってナンボの西武が軒並み不調の要因は “秋山翔吾の出塁力”喪失か【記録で振り返り】 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2021/01/14 17:01

山川穂高、森友哉…打ってナンボの西武が軒並み不調の要因は “秋山翔吾の出塁力”喪失か【記録で振り返り】<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

低迷した打率だけでなく、本塁打も24本にとどまった山川穂高。強力なレオ打線を取り戻すためには、背番号3の復調は必須条件だ

 それ以上に秋山翔吾のMLB移籍が大きかった。

 秋山は2015年から2019年までの5年間で最多安打4回、得点王3回、出塁率は4割前後。リードオフマン、そして中軸打者として八面六臂の活躍をしていたのだ。秋山の四球と安打を足した出塁数は、2017年:257、2018年:272、2019年:257と、いずれもパ・リーグ1位。圧倒的な出塁数でチームに貢献したのだ。

 チームの出塁率は2019年の.344(1位)から2020年は.315(6位)と急落。秋山の退団によって打線のつながりがなくなり、得点能力も大きく減退したのだ。

 ただし2020年の山川穂高のBABIP(本塁打を除く安打率)は.210。BABIPは選手の実力に関わらず3割前後になるとされる。この数値が低いということは「昨年はツキがなかった」ということになる。体調が万全なら今季は、本来の力を発揮するのではないか。

 また、森友哉も近年、打率が3割台→2割台→3割台→2割台と繰り返している。そのパターンでいえば2021年は「表年」だ。

 とはいえ西武は、秋山に代わるリードオフマンを早急に決定する必要があるだろう。今のところ金子侑司が有力だが、筆者は二軍で.384という出塁率を記録し、今年25歳となる山田遥楓に期待したい。

先発投手陣は高橋光成が規定投球回到達

 投手陣はどうか。菊池雄星がMLBに移籍して以降、エースと呼ぶべき投手は出てきていない。2020年、30イニング以上投げた先発投手。今井、浜屋は先発の成績のみ。

 高橋光成 20試8勝8敗120.1回 率3.74
 ニール 21試6勝8敗112回 率5.22
 松本航 20試6勝7敗103回 率4.37
 今井達也 11試2勝4敗51回 率6.53
 浜屋将太 8試3勝3敗42回 率4.07
 與座海人 8試2勝4敗38回 率5.45
 本田圭佑 7試1勝4敗35.1回 率4.08

 2013年夏の甲子園の優勝投手の高橋光成が初めて規定投球回数に達して8勝を挙げたが、それ以外の先発投手の防御率は良くて4点台。信頼に足る先発陣とは言えなかった。

 ただ西武が今後も強力打線を売り物に戦っていくとすれば、必要なのは際立った投球をする大エースではなく、そこそこ失点をしながらもイニングを消化するイニングイーターだろう。必要なのは完投、完封ではなくQS(先発で6回以上を投げて自責点3以下、先発の最低限の責任)なのだ。

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