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なぜ19歳久保建英は「移籍発表から3日」で鮮烈デビューを飾れたのか? 注目は2人の選手との連携 

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中西哲生+戸塚啓

中西哲生+戸塚啓Tetsuo Nakanishi + Kei Totsuka

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photograph byDaisuke Nakashima

posted2021/01/12 18:00

なぜ19歳久保建英は「移籍発表から3日」で鮮烈デビューを飾れたのか? 注目は2人の選手との連携<Number Web> photograph by Daisuke Nakashima

ビジャレアルからヘタフェへ移籍した久保建英が、現地時間1月11日に行なわれたラ・リーガ第18節のエルチェ戦で新天地デビューを飾った

中心選手で、同じ「バルサ育成」仲間との連係

 デビューは1対1で迎えた後半20分に訪れました。最初の交代カードに選ばれたのも、相手が退場者を出して11対10の数的優位に立った試合を、何としても勝利するという監督の意思の表れに他なりません。

 チームメイトに目を移すと、カルレス・アレニャとマルク・ククレジャの存在が大きいと感じます。2人はともに98年生まれで、久保と同じバルセロナの育成組織出身です。アレニャも移籍してきたばかりの選手ですが、ククレジャの存在が助けになっていたこともあって、スムーズにフィットしていました。

 同じことは久保にも言えます。

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 69分に生まれたヘタフェの得点は、右サイドからペナルティエリアへ侵入した久保がシュートを放ち、GKが弾いたボールをストライカーのマタが押し込んだものでした。久保がチームの2点目に関わったこのシーンをもう少し巻き戻すと、久保へパスをつないだのがアレニャなのです。左方向からの横パスを右サイドへワンタッチでつないだそのパスは、技術的難易度の高いものでした。

 この試合の久保は、ペナルティエリア内で相手DFに倒されたシーンが2度ありました。1つ目はアレニャからのパスを受けたもので、2つ目はククレジャのランニングに呼応したアクションからでした。バルセロナの育成組織出身というルーツを持つ3人は、試合を重ねるごとにコンビネーションを成熟させていくでしょう。もちろん、3人だけでなく攻撃のユニットや同サイドの選手同士の連係も、試合を通じて深まっていくはずです。

 得点に結びついた久保のシュートシーンでは、右サイドバックのダミアン・スアレスが久保の外側を走り抜けていきました。それによって久保は、スペースと時間の余裕を持つことができ、フィニッシュへつなげることができたのです。

【次ページ】 ビジャレアルからの離脱は「正解」?

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