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なぜ19歳久保建英は「移籍発表から3日」で鮮烈デビューを飾れたのか? 注目は2人の選手との連携
text by
中西哲生+戸塚啓Tetsuo Nakanishi + Kei Totsuka
photograph byDaisuke Nakashima
posted2021/01/12 18:00
ビジャレアルからヘタフェへ移籍した久保建英が、現地時間1月11日に行なわれたラ・リーガ第18節のエルチェ戦で新天地デビューを飾った
ビジャレアルのアタッカー陣には、オンザボールの局面で力を発揮する選手が揃っていました。それに対してヘタフェは、カウンターを主戦術とすることから、ダミアン・スアレスのようなオフザボールの動きがより徹底されている印象があります。得意とする右サイドで起用されたことはもちろん、チームメイトとのこうした連携もあって、久保は86分にPK獲得につながるクロスを供給しました。2つの得点に関わり、勝利を呼び込んだのです。
ビジャレアルからの離脱は「正解」?
11対10の時間帯に起用されたことで、スペースと時間の余裕があったのは間違いありません。それを差し引いても、エルチェ戦の久保は与えられた環境のなかで結果を残した、と言うことができるでしょう。
そして、デビュー戦のパフォーマンスは今後へつながっていきます。次のウエスカ戦は現地時間の20日に組まれています。1週間以上の間隔が空く。ボルダラス監督とチームメイトの信頼を得たうえで、トレーニングを重ねていけるでしょう。勝利をもたらすパフォーマンスを披露したことで、久保は落ち着いた環境のなかで新天地に馴染んでいけるはずです。
ビジャレアルを離れることについては、様々な見方があると思います。ただ、果たして何が正解なのかは、他でもない久保自身のパフォーマンスによってのみ証明されるものであり、その第一歩は間違いなく好印象を残すものだったでしょう。