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「強い松山英樹」は戻ってくるか 国民的人気のナイスガイ復活や巨大化したデシャンボーの飛距離は?
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byGetty Images
posted2021/01/07 06:00
松山が最後に米ツアーを制したのは2017年夏。今季は専任コーチとともに新たな挑戦の1年となる
そして、日本のゴルフファンの間から聞こえてくるのは、松山英樹の復活を切望する声だ。米メディア風に記せば「松山英樹が松山英樹らしく再び強くなって勝ってほしい」という願いだ。
振り返れば、松山が米ツアーで最後に勝利を挙げたのは2017年の夏だった。世界選手権シリーズのブリヂストン招待を見事に制し、翌週の全米プロでは最終日途中で首位に立ち、メジャー初制覇に迫った。
あの日、終盤で崩れて5位タイに甘んじて以来、松山は優勝の二文字から遠ざかっている。しかし、ファウラーやスピースとの決定的な違いは、松山は世界ランキング19位と、いまなおトップランクに留まっていることだ。
優勝こそできずとも、世界のトップの位置を維持することは大変な努力と鍛錬と忍耐を要することであり、それだけでも偉業である。そして、その位置を死守していれば、たとえ優勝そのものが無くても、勝利からかけ離れてはいない。
今年こそ「強い松山」が戻ってくる?
昨年3月にコロナ禍で米ツアーが休止され、6月に再開されたとき、松山は想像以上に早く再開されたそのタイミングに少々慌てながら復帰した。そして、自身の態勢をしっかり立て直せないうちに2020年が終わってしまった感がある。
だが、これまで松山は、いつもミスや失敗から学び、驚くほどの挽回力を見せてきた。決して同じ轍を踏まず、反省し、改良改善に取り組んでいく。そうやって彼はスイングやストロークをはじめ、さまざまなものを自力で調整し、向上させてきた。
今年からは、ついに専任コーチを付け、新たな挑戦を開始する。彼自身が長年にわたって考え抜き、ついに出した結論だからこそ、そこに大いなる期待が持てる。
今年こそ「強い松山」「勝てる松山」に戻ってくれるのではないか。米メディア同様、私も感覚的、感情的な意見として、そう綴らせていただこう。