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あの高校生Bリーガー河村勇輝が大学生で再参戦 超ストイック肉体改造…筋肉3kg増で“接触上等”
text by
青木美帆Miho Awokie
photograph byKiichi Matsumoto,Hiroyuki Nakamura(in the article)
posted2020/12/24 17:01
12月19日の対秋田戦のハーフタイムイベントで横浜との契約を発表した河村勇輝。早ければ26日のアウェー島根戦から出場する
相手選手と接触しふっ飛ばされる経験で……
それは、体作りだった。Bリーグで、相手選手と接触しふっ飛ばされる経験をしたことで、河村はこれまで以上にフィジカルの重要性を肌で実感したのだ。
田中大貴(A東京)を筆頭に、31人もの卒業生をB1に送り出している東海大バスケ部は、日本の大学界では頭一つ抜けた体作りのノウハウを持っている。これを利用しない手はない。
同部のストレングス&コンディショニングコーチをつとめる小山孟志氏(東海大スポーツ医科学研究所)は、河村は3月のチーム合流時に「スピードを損なわずに増量したい」と話していたと振り返る。
「体がきつくてもトレーニングをがんばる」
「これまでの経験から、1年生の早い時期から試合に出る選手は、練習の強度や生活習慣の変化などに加え、じっくりとトレーニングを積む時間が少なくなるので大きなケガをしがちでした。
一方で、Bリーグの特別指定選手制度が生まれたことで、それを利用する選手たちには完全な鍛錬期がなくなりました。現状は大学3年生からこれを利用する選手が多いため、これまで4年間かけて取り組んでいた基礎体力の向上を、2年前倒しする必要が出てきたのです。世界に目を向けてみても、20歳になる前にプロデビューする例は少なくありません。我々チームスタッフ陣はそこで勝負することを意識し、環境作りに取り組んでいます。
このようなことを念頭に置き、河村には本人の性格や先輩たちの経験を踏まえて『あまりあわてなくていいかもしれない』と話しました。ただ、本人が『インカレ以外のパフォーマンスは気にしない。体がきつくてもトレーニングをがんばる』と言うので、じゃあその方向性で行こうとなったんです」
その後ほどなくして、新型コロナウイルスの影響で部の活動は休止。実家に帰る者、寮に残る者に分かれる中で、小山氏は週に1度のズームミーティングでトレーニング指導を行いつつ、週ごとの予定表、体重などの測定数値、コンディショニングに関するレポートなどを提出するよう部員に指示した。