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あの高校生Bリーガー河村勇輝が大学生で再参戦 超ストイック肉体改造…筋肉3kg増で“接触上等”
text by
青木美帆Miho Awokie
photograph byKiichi Matsumoto,Hiroyuki Nakamura(in the article)
posted2020/12/24 17:01
12月19日の対秋田戦のハーフタイムイベントで横浜との契約を発表した河村勇輝。早ければ26日のアウェー島根戦から出場する
体脂肪を増やさず体重を増加させた
山口県の実家に戻った河村の取り組みに、小山氏は大いに驚かされたという。
「毎日予定がびっしり詰まってるんです。バイクこぎや走り込み、自宅庭にあるリングでのシューティング、体幹トレーニング、NBAを見てのイメージトレーニング……。不安や疑問があればあわせて報告するように伝えたら、『うちのリングは正面からしか打てないけれどどうしたらいいですか?』なんて記入していました(笑)。
他にも、自主的にOBや院生、社会人のスタッフと一緒に毎朝ズームでのトレーニングに励む、わからないことがあればわかる人に電話するなど、様々な制限がある中でも自分で考えて行動して、環境を整える。その結果、チーム活動が再開するまでの3カ月間で、体脂肪を増やさず体重を増加させて戻ってきました。すごい選手だなと思いました」
インカレ3カ月前となった9月から、河村はさらにトレーニングの強度を上げることを望んだ。特に10月からの1カ月間は、2週に1度(土日開催)行われる公式戦とそれに伴うチーム練習と並行し、トレーニング期と遜色ないような別メニューを組み込んだ。
河村は報道陣に対してめったに弱音を吐かないが、この時はよほどのハードワークだったのだろう。インカレ後には「体力面できつかった部分もありました」と、控えめながら苦労を明かしたが、入学時からほぼ筋肉量だけで3kg増量した身体は、高校時代の彼を知る者なら誰もが驚くほどに分厚くなった。
「イチロー選手が野球を極めたように、僕もバスケを」
インカレ最終日から1週間足らずの12月19日。横浜ビー・コルセアーズは河村と特別指定選手契約を結んだことを発表した。
22日に行われた記者会見で、河村は「安定したパフォーマンスでチームを勝利に導けるようプレーしたい」と話し、今季増加した外国籍のガードとのマッチアップについて「日本代表のポイントガードとして世界で戦うという目標を達成するためには、避けては通れない道」とコメント。並々ならぬ意志と行動で手に入れたフィジカルを生かし、「接触から逃げず強くプレーしたい」と抱負を述べた。
尊敬する選手はイチロー。「イチロー選手が野球を極めたように、僕もバスケを極められる選手になりたい」と語る若き求道者は、2度目の航海でどんな“宝物(課題)”を発見するだろうか。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。