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「日本のステフィン・カリー」と紹介された富永啓生、全米最強の大学Lから“高確率3ポイント”でNBAへ?
text by
永塚和志Kaz Nagatsuka
photograph byRanger College/Tommy Wells , UNL Athletics
posted2020/12/06 11:01
レンジャー短大でプレーする富永。1年目で31試合に出場し、1試合平均16.8得点、3Pシュート成功率47.9%と活躍
富永の存在を知った1本のメール
「やっと来年から、NCAAのディビジョン1でプレーできるというのが、楽しみです」
新型コロナウイルスの影響で、ネブラスカ大への訪問は実はまだ1度もできていないという富永だが、ズーム取材ではそこに対しての不安よりも目標への大きな歩みを進めることができる喜びが上回るといった感じの、快活な声で話してくれた。
ちなみに同ウイルスのために本来なら始まっているはずの富永の今シーズンはまだ開けておらず、1月の開幕に備えているところだ。
富永のリクルーティングに直接的に関わったのは、ホイバーグ氏の右腕、マット・アブデルマッセイアシスタントコーチだった。
同氏が富永の存在を知ったのは、彼が母校のセントジョーンズ大(当時は元NBAのスター選手で1992年バルセロナ五輪に出場した“ドリームチーム”にも名を連ねたクリス・マリン氏がヘッドコーチを務めていた)で同職に就いていた時に受け取った1本のメールだった。
「この選手ならやれますよ」
メールの送り主は、元日本U18代表のHCとして富永を知るトーステン・ロイブル氏だった。アメリカ大学バスケ界で優れた若手リクルーターとして知られる同氏は、そのメッセージを振り返る。
「もし良い選手を探しているなら時間を無駄にすることはない。この選手ならやれますよ」
言葉などに慣れる必要性もあって、テキサス州にあるトップクラスのジュニアカレッジ、レンジャー短大へ進学することとなった富永。19-20年シーズンは1試合平均16.8点、3P成功率は全米の短大でも上位となる47.9%を記録し、アメリカでの初年度から力量を示した。
現在の世界のバスケの潮流が総じてそうであると言えるが、ホイバーグ氏は前所属のアイオワ州立大やNBAブルズでHCを務めていた頃から3Pによる得点効率を重視しており、富永のようなシューターを重用する。