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天皇賞・秋、クロノジェネシスがアーモンドアイに挑む! 鞍上・北村友一が狙う“あのシーン”の再現 

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片山良三

片山良三Ryozo Katayama

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photograph byKyodo News

posted2020/11/01 06:02

天皇賞・秋、クロノジェネシスがアーモンドアイに挑む! 鞍上・北村友一が狙う“あのシーン”の再現<Number Web> photograph by Kyodo News

第61回宝塚記念を圧勝したクロノジェネシス。アーモンドアイの偉業を阻む馬がいるとしたら彼女かもしれない

「いかにも休み明けの体」の背景が見えてきた

 絶対女王アーモンドアイとは、今回の天皇賞・秋が初めての対戦。北村は「上がり32秒ソコソコの勝負に持ち込まれたらかなわないかも」と、まずは相手が持っている強烈な武器を認めたが、いい結果を持ち帰るにはそこを乗り越えるしかない。秘策を練る時間はまだ残されている。

 宝塚記念との比較でプラス20kgの馬体で帰ってきたというのに、斉藤師は仕上げのピッチを焦ろうとはしない。帰厩3日後の4日にCWコースで5ハロンから72秒3-56秒0-40秒6-12秒5という、この馬にしてみれば楽走と言ってもいい時計を出し、7日には厩舎所属の団野大成騎手を乗せて、CWコースで6ハロンから追った。83秒6-67秒8-53秒1-39秒8-12秒6という時計は条件級の馬なら立派な追い切りだが、これでさえ団野の手綱がピクリとも動かない、正真正銘の馬なりだった。

 推測だが、前走時との比較で10kg以上のプラスを残したとしても、斉藤師はそこを成長分と考えているのだろう。「いかにも休み明けの体」という呟きは、その時点で天皇賞当日の馬体のラインが見えていてのそれだったことがわかってきた。絞る必要があると見れば、それだけで馬がピリッとする効果を見込んで北村を乗せて追い切るのが常道。それをしないのは、完成形が見えているからに違いない。

渋った馬場を苦にしない類稀な体幹の強さ

 クロノジェネシスの最も大きな強みは、力の要る馬場を苦にしないことだ。11戦のうち、稍重より悪いコンディションで走ったのは4回。新馬戦(小倉芝1800m、稍重)で2馬身差勝ちを皮切りに、秋華賞(京都芝2000m、稍重)でも2馬身差の優勝。重の京都記念(京都芝2200m)で2馬身半の差をつけて勝ち、実質は重と言えた宝塚記念(阪神芝2200m、発表は稍重)は6馬身という決定的な差をつけた。馬場が少しでも渋ったら4戦4勝。いかに体幹が強い馬かがわかるデータだ。

 良馬場の切れ味争いでも、アイビーS(東京芝1800m)で32秒5、桜花賞(阪神芝1600m=3着)で32秒9、クイーンC(東京芝1600m)で33秒1という速い上がり時計をマークしているが、良馬場なら33秒前後が当たり前に出るアーモンドアイより優位に立つためには、馬場の渋化という助けが欲しいところではある。

「道悪の宝塚記念では、3コーナーから自然にポジションを上げて行ってくれて、4コーナーでは早くも勝利を確信できていました。他馬との手応えの差を、あれほどじっくりと観察できたのは初めてでしたからね」と、北村。3戦2勝の東京コースで、あのシーンの再現を狙っている。

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