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藤井聡太二冠は進学校だけど…「将棋は偏差値が高い子どもが有利?」「理系と文系で差は?」“教授”に聞く
text by
小島渉Wataru Kojima
photograph byKYODO
posted2020/10/11 17:01
最年少二冠、最年少八段昇段を果たした藤井聡太。愛知県の進学校に通う
勝又 とにかく将棋が好きか、ですよね。負けると泣いちゃうお子さんがいるじゃないですか。これは2パターンあって、ひとつは藤井聡太二冠のように「勝ちたくて泣く」。もうひとつは「なぜ負けたのか、分からなくて泣く。または負けるのは嫌なだけで泣く」です。後者は親にやらされているパターンもあって、将棋が好きなわけじゃない。最初は我慢させてもいいかもしれないけど、それで好きにならなかったら辞めたほうがいいとは思います。だって、将棋はすべて自己責任で、負けると自分を否定しちゃいますから。数あるゲームのなかで、完全情報ゲームかつこれほど終盤が難しいものはないでしょう。まったく運が絡まないから、好きじゃないと続けられないですよね。
――子どもの才能に種類はありますか?
勝又 才能といっても、いろいろあります。序中盤のひらめきが優れている人、逆に終盤が強いタイプもいます。ただ私の経験上、終盤で目が輝く子どもは強くなる傾向にあります。自分から勝ちにいかない、相手のミスを待つ将棋は勝ち抜くのが大変でしょう。攻める意欲が強い子が強くなりやすいです。
――その才能をどう伸ばすか。伸び方や取り組み方はまた違うのでしょうか。
勝又 一概にはいえないと思います。いまの藤井聡太さんみたいにじっーと考えられるのもひとつの才能ですが、糸谷さん(哲郎八段)みたいに早指しでも強い人はいますからね。お子さんに「もっと考えなさい」「いつまでも悩んでいないで、さっさと決めなさい」といいたくなる気持ちも分かるんですが、どれが本人に合ったスタイルなのかは難しいんですよ。
理系と文系、どちらが向いている?
――将棋は頭脳ゲームです。理系っぽい子と文系っぽい子、どちらが向いていますか。