話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
19試合19得点! 絶好調の柏・オルンガが「毎試合ゴールできる」3つの理由
posted2020/10/05 20:01
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
J.LEAGUE
オルンガが止まらない。
「オルンガは特別な選手。彼に試合を決められてしまった」
3-0で敗れた横浜FCの下平隆宏監督がそう脱帽したように、まさにオルンガの日だった。先制点と追加点の2ゴールを決め、勝利に貢献。これで19試合19ゴールとなった。
柏レイソルは20試合を消化しているが、全38得点の半分をオルンガが決めている。10勝の内、オルンガがゴールを挙げた試合は8勝とチームへの貢献度が大きく、得点ランキングでも2位の小林悠らに8点差をつけ、独走状態だ。まだ、残り14試合あるが、正直なところ今シーズンの得点王は、ほぼオルンガで決まりだろう。
なぜオルンガはここまで好調をキープ出来ているのか。横浜FC戦でもその理由の一端を見ることができた。
ゴールの再現性の高さと多彩さ
前半5分の1点目はクリスティアーノがボールを持った瞬間、裏にパスが出ると信じて加速し、相手DF2 人を置き去りにして決めた。後半31分の2点目はクロスを長い足を活かしてトラップし、絶妙な位置に落として利き足の左足で決めた。どちらも簡単そうに決めているので、イージーなゴールに見えるが、1点目は裏に抜けるタイミングとスピード、2点目はトラップの技術の高さとシュートまでの無駄と力みのない動きがかみ合った素晴らしいゴールだった。
1点目のゴールは、今やオルンガの典型的な得点パターンだ。こうしたゴールの再現性の高さは、得点を稼ぐためには必要な条件だ。自分がどう意識し、どのように動いてゴールを生んだのか。そのロジックが把握できていなければ、同じようなシーンになってもゴールできる確率は低くなる。オルンガは、ゴールについてこのロジックを自分の中に落とし込み、何度も自分が思い描いたプレーを繰り返している。それゆえ常に高いパフォーマンスを維持し、安定した結果を残している。
また、ゴールパターンが豊富なのは、大量得点を生むために欠かせない要素だ。湘南戦、浦和戦、ホームでの横浜F・マリノス戦ではクロスをきれいにヘディングで合わせ、名古屋戦ではロングボールから難しいバウンドを合わせて決めた。仙台戦では江坂仁のスルーパスを受けてドリブルし、最後は切り返してゴールを奪った。ゴールの再現性という武器を持ちつつ、いくつものゴールパターンを持っている。それがオルンガのパフォーマンスの上限を引き上げ、一定の結果を生むことに繋がっている。
また、水を運ぶ仲間と環境に恵まれているのも大きい。