酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
ダルビッシュはサイ・ヤング賞“最有力”なのか 各成績をランキング化、順位は…
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byGetty Images
posted2020/09/30 11:50
ショートシーズンになったのが惜しすぎるダルビッシュ。果たして日本人初サイ・ヤング賞の名誉を手に入れるのか
ポイント合計、ダルの順位は……
レッズのトレバー・バウアーは、ここまで掲げた10項目の内9つで5位以内に顔を出している。
これに次いでカブスのダルビッシュ有が8つ、メッツのジェイコブ・デグロムが6つだ。
2年連続サイ・ヤング賞のデグロムは最終登板で5回自責点3と不調で成績を落としたためにやや分が悪い。デグロム本人も今年はやや不利と認めているようだが、最終的にはバウアー、ダルビッシュの争いとみる向きが多いようだ。
10項目の1位に5点、2位に4点とポイントを振っていくと、ポイント計はこうなった(※編集註:NumberWeb以外のサイトでご覧の方は、関連記事のリンクよりご確認ください)。
これで見てもバウアーとダルビッシュの接戦であることがわかる。
日本でも解説したバウアーの知的さ
昨年12月、トレバー・バウアーは来日し、法政大学で行われた「日本野球科学研究会第7回大会」で自らの投球について解説した。
彼はトラッキングデータを駆使して自分が望む回転数、回転角度の球種を開発したと語った。理論的で知的な説明には感心した。ダルビッシュもそうだが、今のMLBのトップクラスの投手は自身の投球を「デザイン」するレベルに達しているのだろう。
サイ・ヤング賞は最終的には客観的な数字ではなく、記者投票で選ばれる。冷静で客観的な多くの数値に、人間臭い「感情」「印象」が加味される。
最終結果を楽しみに待ちたいと思う。