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「天真爛漫なところが好きだ。おまえさんならきっとやれる」菊池雄星と原辰徳監督の知られざる絆

posted2020/09/29 11:50

 
「天真爛漫なところが好きだ。おまえさんならきっとやれる」菊池雄星と原辰徳監督の知られざる絆<Number Web> photograph by Kyodo News

2010年1月「日本プロスポーツ大賞授賞式」でのプロ入り前の菊池雄星(左)と原辰徳監督。右はプロゴルファーの石川遼

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木崎英夫

木崎英夫Hideo Kizaki

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Kyodo News

 マリナーズ・菊池雄星のメジャー2年目が終わった。

 9月25日(日本時間26日)の最終登板は、ア・リーグ西の同地区で優勝を果たしたアスレチックスとの一戦。勝敗は付かなかったが6回を零封した菊池は「こういう形で終えられてすごくよかった」と、安堵の表情を浮かべた。

 菊池は咋オフに日本時代からつながる動作解析の専門チームと歩調を合わせ、意識した体の縦振りに左肘がスムーズに呼応するフォームに取り組んだ。7月26日のアストロズ戦では自己最速の98マイル(約158キロ)の直球を投げ込んだ。新型コロナ禍による60試合制の9登板で2勝4敗、防御率5.17の成績も、「球威と質」を収穫に挙げた。

「冬の間に大きく(フォームを)変更した中で、数字には現れない手応えを得られる部分も多くありました。オフに取り組んできたことは間違っていなかった。ストレート、カットボール、スライダーの3つに関しては、球速も含めて全体的にレベルアップできました」

「自分の思うように突き進んでいきなさい」

 科学的に裏付けられた、危なげない“収穫”――。その道のりは筋書き通りの美談で収めることはできない。期待されたメジャー1年目を6勝11敗、防御率5.46で終え、ときには忸怩たる思いを募らせた。そんなとき、生じた雑念を消したのは、巨人・原辰徳監督からかけられた言葉だった。

「おまえさんの天真爛漫なところが俺は好きだ。今の顔は高校時代のように輝いてないぞ。いろんなことを乗り越えてきたじゃないか。小さくまとまらずに、誰に何を言われようと自分が思うように突き進んでいきなさい。おまえさんならきっとやれる」

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