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ダルビッシュはサイ・ヤング賞“最有力”なのか 各成績をランキング化、順位は…
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byGetty Images
posted2020/09/30 11:50
ショートシーズンになったのが惜しすぎるダルビッシュ。果たして日本人初サイ・ヤング賞の名誉を手に入れるのか
ダル最多勝、記者によっては重視
◇沢村賞の基準で見たナ・リーグ、サイ・ヤング賞候補の成績 規定投球回数以上
<勝利数 - 15勝以上>
1 ダルビッシュ(カブス)
8勝(19勝)
2 デイビース(パドレス)
7勝(17勝)
3 ヘンドリクス(カブス)
6勝(14勝)
4 バウアー(レッズ)、シャーザー(ナショナルズ)など6人
5勝(12勝)
セイバーメトリクス導入以降、勝利は「運」の産物とされ重視されていないが、今も投手主要タイトルの1つであり、記者によっては重視している。しかし2018、2019年と10勝、11勝だったメッツのデグロムが、最多勝投手(両年ともに18勝)を差し置いてサイ・ヤング賞を受賞していることを見ても、決定的な指標ではなくなっている。
投球回はバウアー&デグロムより多い
<投球回数 - 200イニング以上>
1 マルケス(ロッキーズ)
81.2回(194.2回)
2 ヘンドリクス(カブス)
81.1回(194回)
3 ダルビッシュ(カブス)
76回(181回)
4 ウッドルフ(ブルワーズ)
73.2回(175.2回)
5 センザテラ(ロッキーズ)
73.1回(194.2回)
マウンドに上がれば長いイニングを投げることは先発投手の責務でもある。MLBでは球数制限は厳格だが、その中で効率よい投球をして長いイニングを投げる投手は評価される。ダルビッシュはリーグ3位、ライバルのバウアーやデグロムより多い。これはポイントとなる。
<奪三振 - 150個以上>
1 デグロム(メッツ)104三振(248三振)
2 バウアー(レッズ)100三振(248三振)
3 ノラ(フィリーズ)96三振(229三振)
4 ダルビッシュ(カブス)93三振(222三振)
4 ラメット(パドレス)93三振(222三振)
三振は振り逃げ以外では出塁を許さないので、投手にとって最高のリザルトだとされる。その点は沢村賞もサイ・ヤング賞も同じだ。ダルビッシュは4位につけている。