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ダルビッシュはサイ・ヤング賞“最有力”なのか 各成績をランキング化、順位は…
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byGetty Images
posted2020/09/30 11:50
ショートシーズンになったのが惜しすぎるダルビッシュ。果たして日本人初サイ・ヤング賞の名誉を手に入れるのか
K/BBが示している抜群の安定感
<K/BB>
1 ヘンドリクス(カブス)
8.00(64三振8四球)
2 ダルビッシュ(カブス)
6.64(93三振14四球)
3 バウアー(レッズ)5.88
(100三振17四球)
4 デグロム(メッツ)5.78(104三振18四球)
5 ウッドルフ(ブルワーズ)5.06(91三振18四球)
K/BBは奪三振数で与四球数を割った数値で。投手の安定感を示す指標として非常に重視される。ダルビッシュはカブスの同僚、ヘンドリクスに次いで2位。ライバルのバウアー、デグロムよりも良い。これはダルビッシュにとって重要なポイントだ。
<WHIP>
1 バウアー(レッズ)0.79
2 ラメット(パドレス)0.86
3 デグロム(メッツ)0.956
4 ダルビッシュ(カブス)0.961
5 ウッドルフ(ブルワーズ)0.99
1イニング当たりの被安打、与四球による出塁数。MLB公式サイトにも載っている重要な指標だが、安打は「運」の産物という考え方が強まるとともに、以前ほどは重視されなくなった。この数値においてはバウアーが傑出している。
最も重要視される「WAR」を見てみると
そしてWAR(Wins Above Replacement)は投手、野手の打撃、投球、守備の指標をすべて総合して数値化した指標。今、最も重要視されている指標だ。
WARは記録サイトBaseball ReferenceとFangraphsがそれぞれ別の計算式で算出している。サイ・ヤング賞などの選出でも記者が最も重視している指標とされる。今季はBaseball ReferenceのWAR(rWAR)とFangraphsのWAR(fWAR)のランキングが大きく異なっている。
<rWAR>
1 フリード(ブレーブス)2.9
2 ウィーラー(フィリーズ)2.9
3 センザテラ(ロッキーズ)2.8
4 ガレン(ダイヤモンドバックス)2.8
5 バウアー(レッズ)2.7
6 ダルビッシュ(カブス)2.6
7 デグロム(メッツ)2.5
<fWAR>
1 ダルビッシュ(カブス)3.0
2 デグロム(メッツ)2.6
3 バウアー(レッズ)2.5
4 バーンズ(ブルワーズ)2.5
5 ラメット(パドレス)2.4
rWARはどちらかといえば「量」より「質」を重視する傾向にある。1位には規定投球回数に達していないブレーブスのマックス・フリード(11試合7勝0敗56回50奪三振、防御率2.25)がいる。これに対し、より多くのイニング数を投げる投手を評価する傾向にあるfWARでは、ダルビッシュが1位になっている。