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自己最低打率.190に終わった大谷翔平「悪い部分は伸びしろ」だが来季は失敗できない
posted2020/10/04 11:00
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
KYODO
打率.190、7本塁打、24打点。
特殊な60試合制の短縮シーズン。打者・大谷翔平は自己最低の打率で2020年の公式戦を終えた。
「もちろんいい年ではなかったですし、改善点、課題みたいなものはあると思うので、オフシーズンに取り組んでいきたいと思います」
屈辱のシーズンでありながら表情は変わらない。淡々と振り返る大谷の言葉に感心させられたのはこの後のことだった。
「良いところ、悪いところ、必ず毎年あるので、良いところは良いところでいいと思いますし、悪いところは、その分伸びしろがあると思います」
“悪い部分は伸びしろでいいんじゃないか”
発想の転換、表現力、セルフコントロール。ネガティブな結果をポジティブな発想に切り替えることの出来るこの能力が、大谷翔平という野球選手を成長させた一因ではないか。そんなことを感じさせる言葉だった。
打者・大谷はなぜ低調に終わったのか?
では何故、打者・大谷はこれほど深い暗闇の世界に入り込んでしまったのだろうか。
確かに60試合制では時間が少ない。通常ならば、残り100試合で技術を修復し、状態を整え、例年通りの数字を残していくことも可能だろう。それは大谷が残した日本時代の通算打率.286とメジャーで去年までの2年間で残した.286の平均打率が示している。
更に付け加えるなら、今季は大谷だけでなく、メジャーの実力者たちも低調な数字に終わったケースが多い。
ジョーイ・ボット(レッズ).226
J.D. マルチネス(レッドソックス).213
クリス・ブライアント(カブス).206
クリスチャン・イエリチ(ブルワーズ).205
ハビアー・バイエス(カブス).203
J.D. マルチネス(レッドソックス).213
クリス・ブライアント(カブス).206
クリスチャン・イエリチ(ブルワーズ).205
ハビアー・バイエス(カブス).203
打者ならば、実績十分の実力者であれ、これからレギュラー定着を目指す若者であれ、誰もが課題を持ちシーズンに挑むのは当たり前のことだ。