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ダルビッシュはサイ・ヤング賞“最有力”なのか 各成績をランキング化、順位は…
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byGetty Images
posted2020/09/30 11:50
ショートシーズンになったのが惜しすぎるダルビッシュ。果たして日本人初サイ・ヤング賞の名誉を手に入れるのか
QS数トップなのは間違いなくプラス
<防御率 - 2.50以下>
1 バウアー(レッズ)1.73
2 ダルビッシュ(カブス)2.01
3 ラメット(パドレス)2.09
4 デグロム(メッツ)2.38
5 デイビース(パドレス)2.73
防御率は19世紀からある古典的な指標で「運」が左右する指標だとされるが、主要タイトルの1つであり、今も重要視されている。バウアーが1位、ダルビッシュは2位。ダルビッシュは9月20日のツインズ戦で6回自責点4だったために、2点台になったのが痛い。
<QS数>
1 ダルビッシュ(カブス)10
2 バウアー(レッズ)9
2 フリーランド(ロッキーズ)9
2 ガレン(ダイヤモンドバックス)9
2 ヘンドリクス(カブス)9
2 マルケス(ロッキーズ)9
沢村賞では7回自責点3以内をQSとしているが、ここは6回自責点3以内というMLBの基準とする。ダルビッシュは12試合でQSが10、QS率は83.3%。安定感ではナ・リーグ随一だったと言えよう。これはポイントが高い。
今季のK9は全体的に高かった
ここからはMLBで重視される指標での比較をしていこう。
<K9>
1 デグロム(メッツ)13.76
2 バウアー(レッズ)12.33
3 シャーザー(ナショナルズ)12.30
4 ラメット(パドレス)12.13
5 ノラ(フィリーズ)12.11
8 ダルビッシュ(カブス)11.01
9イニング当たりの奪三振数。9.00あれば奪三振が多いパワーピッチャーだとされるが、今季は両リーグともにこの数値が異様に高かった。記録サイトBaseball Referenceによれば今季ア・リーグ1位のシェーン・ビーバー(インディアンス)の14.20はMLB史上第1位、ナ・リーグ1位のデグロムの13.76は史上3位だ。
ダルビッシュは以前のコラムでも触れた通り、通算でのK9では11.11でMLB史上1位だが、今季は8位にとどまった。