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ついにラスベガスに球団が…? コロナで見えてきた「MLB拡大計画」とは
posted2020/09/29 07:00
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph by
Getty Images
9月29日火曜日(日本時間30日)から始まるメジャーリーグのプレーオフは、今季から導入された「先に2勝した方が勝ち上がる」ワイルドカード・シリーズ(WCS)で幕を開ける。
WCSは東、中、西の3地区の優勝チーム=ペナントレースの覇者と、各地区2位の最高勝率チームの4チームの本拠地でオフ日なしの最大3連戦で開催され、各地区2位の残り2チームと、ワイルドカード=各地区3位以下の勝率上位2チームがビジターチームとなる。
WCSを勝ち上がったア・リーグの4チームはカリフォルニア州(ドジャース本拠地とパドレス本拠地)、ナ・リーグの4チームはテキサス州(レンジャーズ本拠地とアストロズ本拠地)で「先に3勝した方が勝ち上がる」地区シリーズ(DS)を最大5連戦で行う。DSを勝ち上がったチームは、ア・リーグがパドレス本拠地で無観客のまま、ナ・リーグがレンジャーズ本拠地で収容人員の50%程度の観客を入れて、「4勝した方が勝ち上がる」リーグ優勝決定シリーズ(CS)を最大7連戦で行う(テキサス州の承認待ち)。そして、2020年のメジャーリーグ王者を決めるワールドシリーズは、レンジャーズ本拠地で開催されることが決まっている(なぜかワールドシリーズだけは通常時と同じように「移動日=オフ日」が最大2日間、設定されている)。
プレーオフの拡大案は16チームではなかった
ロブ・マンフレッド・コミッショナーは9月22日、『USA Today』の取材で、マーリンズやカージナルスなどで新型コロナ感染者が出ながらシーズンが佳境を迎えたことに安堵のコメントを残しながら、今季のプレーオフ形式に言及している。
「(プレーオフ進出が)16チームというのは2020年のユニークな環境での本当に良い解決策でした。はっきりさせておきたいのは、新型コロナの影響が出る前から話し合っていたプレーオフの拡大案は16チームではなかったのです。それは14チーム以上のものではありませんでした」
『USA Today』によると、昨年の冬に話し合われていたプレーオフは各リーグ7チーム、計14チームによるもので、今季限定の形式で示されたように各地区2位が無条件でプレーオフに進出するか、各地区優勝チーム以外の4チームがすべて勝率上位のワイルドカードとなる計画だった。それは今オフも継続して審議される議題であるが、ワールドシリーズが終わった時点で今季のプレーオフ形式に成功の実感が残るようなら、来季も継続されるような気がする(記者間の噂では、指名打者制度のナ・リーグ導入以外の「今季特別ルール」=延長戦のタイブレーク制や登録選手枠の拡充などは「今季限り」らしい)。
なぜなら、MLB再開を前にマンフレッド・コミッショナー=経営者側と選手組合が「今季の年俸は出場した試合数の日割り満額か否か」を巡って対立した時、プレーオフの拡大が唯一の解決策のように言われていたからだ。