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ついにラスベガスに球団が…? コロナで見えてきた「MLB拡大計画」とは 

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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posted2020/09/29 07:00

ついにラスベガスに球団が…? コロナで見えてきた「MLB拡大計画」とは<Number Web> photograph by Getty Images

2020年のメジャーリーグ王者を決めるワールドシリーズは、レンジャーズ本拠地で開催される

プロ野球をビジネスとして成功させるために

 球団数の拡張は、プレーオフの拡大同様、プロ野球をビジネスとして成功させるための1つの手段だ。

 選手だけでもメジャーリーガーだけで52人、マイナーリーガーを含めれば200人近い雇用が確保され、広報やトレーナーやコーチたち、それに野球場で働く人々も含めれば、信じられないほど多くの人々の規模が確保されるのだから、各地自体も税金を使って施設建設に協力するし、MLB本拠地の誘致を歓迎する。そうなればチームを中心に地元の慈善事業の数も劇的に増えるし、球場周辺のインフラ開発や、それに関連した小規模ビジネスも連鎖反応的に生まれる。

 そうした大きな流れの中では、勝率8位のチームが1位のチームに勝って「番狂わせ」が起きることを嘆く人よりも、地区優勝できなかったチームがMLB王者となる「番狂わせ」を喜ぶ人の方が多数派になる。「ペナントレースの価値がなくなる」とか、「プロ野球のレベルが下がる」といった議論も、その巨大な濁流に飲み込まれるのだ。

 プレーオフの拡大はその流れを作るきっかけに過ぎず、MLBという巨大な産業の近未来を想定しながら、来季も導入されるべき「エンターテイメント=娯楽」の1つとなるのである。

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