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ついにラスベガスに球団が…? コロナで見えてきた「MLB拡大計画」とは 

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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posted2020/09/29 07:00

ついにラスベガスに球団が…? コロナで見えてきた「MLB拡大計画」とは<Number Web> photograph by Getty Images

2020年のメジャーリーグ王者を決めるワールドシリーズは、レンジャーズ本拠地で開催される

 無観客での公式戦開催と試合数の大幅縮小で各球団の収入が大きく落ち込んだ今年のプレーオフ。その収入源を確保するために、新設したWCSという未知なるシリーズのお陰で追加の放映権やスポンサーシップが加わったのだから、来季のプレーオフが今年と似たような形式になったところで驚くようなことではないだろう。

 16チームによるプレーオフ形式は、もっと先の未来を暗示している。

 MLBが現在の30チームから32チームに球団数を拡張しようとしているのは以前のコラムでも書いたが、実際にそうなった時にはかなりの確率で今季のプレーオフ形式が採用されるのではないか。

 MLBが拡張される日は、そう遠くない。

ラスベガスやナッシュビルにMLB本拠地を誘致?

 かつて「野球賭博に関係するから(球団保持は)不可能だ」と言われていたカジノで名高いネバダ州ラスベガスは、当地で今季からNFLフットボールの新本拠地が誕生したこともあり、MLBの誘致への障壁が取り除かれたと言っていい。そういう場所に開閉式ドームの野球場を建設してMLBチーム(ダイヤモンドバックス)を誘致するという話が出ているのは自然なことで、それらの地域同様、「カントリーミュージックの聖地」として知られるテネシー州ナッシュビルにMLB本拠地を誘致するグループが誕生するなど、コミッショナーとオーナーたちが推進する経営方針に追い風が吹いている。

 9月には米人気歌手で俳優としても有名なジャスティン・ティンバーレイク氏が、ナッシュビルの誘致グループ「ミュージック・シティ・ベースボール」への参加を表明し、テネシー州の地元紙にこう説明している。

「僕はミュージック・シティ・ベースボールの野球と音楽を融合させたユニークな形で人々を楽しませるというビジョンを信じています。そしてMLBを音楽の街に持ってくるという、我々のビジョンをこのコミュニティーとシェアすることにエキサイトしています」

 仮にラスベガスとナッシュビルが拡張球団としてMLBに加わって各リーグ16チームずつになれば、現行の東、中、西の3地区に分けるとチーム数が不平等になるので、唯一の解決策はリーグを再編して東、北、南、西の4地区に分けることだ。そうなれば4地区それぞれの4チームの間で地区優勝が争われ、今季と同じように1位のチームが「上位シード権」を得て本拠地での全3試合の開催権を持ち、各地区2位のチームと対戦する形式になるだろう。

 コミッショナーはそれらの地域でMLB誘致の動きが出る前から、「優先課題は新球場を建設できないために年俸総額が上がらないアスレチックスやレイズの本拠地」と明言しているが、ラスベガスやナッシュビルと並行してオレゴン州ポートランドやカナダのモントリオールがタンパベイとのレイズ本拠地分割の可能性を探るなど、移転先には困っていない。

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