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厳しいドーピング検査は「私にとって有利」 室伏広治新スポーツ庁長官に期待するフェアとクリーン 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byAsami Enomoto

posted2020/09/13 11:40

厳しいドーピング検査は「私にとって有利」 室伏広治新スポーツ庁長官に期待するフェアとクリーン<Number Web> photograph by Asami Enomoto

現役時代の室伏氏。日本選手権は20連覇を果たしている。

検査が厳しくなるのは「私にとって有利」

 また、他者から見ると意外なトレーニングを生み出し、取り組んだことが示しているのは、一定の価値観に縛られず、広い視野を持っていたということでもある。

 同時に、その競技歴は、スポーツ界が持つ大きな問題に揺さぶられた時間でもあった。

 アテネの金メダルは、一度は銀メダルであったが、1位だった選手のドーピング違反が発覚し、順位が繰り上がってのもの。大会の表彰式で金メダルを受け取ることはかなわなかった。

 北京でも一度は上位選手2名がドーピング違反とされたことで、5位からいったんは3位に繰り上がることになった。

 だがその後、ドーピング違反の処分が取り消されることになり、銅メダルとはならなかった経緯がある。

「検査は厳しくなるでしょう」

 最終的に上位2選手への処分が取り消しになったあと、室伏氏は言ったが、それに続けた言葉が印象深い。

「ロンドンオリンピックへ向けて、私にとって有利になります」

クリーン、フェアな取り組み

 検査が厳しくなればなるほど、自分には有利になる。すなわち、自身がクリーンに戦ってきたことへの自信と誇りがそこにあふれていた。

 あくなき探究心とそこから生み出される創意工夫。視野の広さ。

 クリーン、フェアな取り組み。

 その2点こそ、室伏氏の競技人生の大きな特徴である。

 周知のとおり、新型コロナウィルス感染拡大により、東京五輪は来年に延期となった。ただ、思い起こせば、延期になる以前から、オリンピック開催をめぐり、さまざまな問題や課題が生じていた。コロナのみにとどまるわけではない。

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