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厳しいドーピング検査は「私にとって有利」 室伏広治新スポーツ庁長官に期待するフェアとクリーン

posted2020/09/13 11:40

 
厳しいドーピング検査は「私にとって有利」 室伏広治新スポーツ庁長官に期待するフェアとクリーン<Number Web> photograph by Asami Enomoto

現役時代の室伏氏。日本選手権は20連覇を果たしている。

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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Asami Enomoto

 9月11日、新たなスポーツ庁長官に、ハンマー投げで活躍した室伏広治氏が就任することが決まった。鈴木大地氏が任期満了に伴い、9月末で退任するのを受けての決定だ。

 難しい時期のかじ取りを担うことになる。同時に、そのキャリアからすれば、今日就任する意味も感じさせる。

 あらためて足跡をたどりたい。

 オリンピックは2000年のシドニーを皮切りに、アテネ、北京、ロンドンと4度出場。アテネで金メダル、ロンドンで銅メダルを獲得した。

 2011年の世界選手権では日本選手として初優勝を飾った。このとき36歳と325日、男子最年長優勝でもあった。

 また、日本選手権では20連覇という驚異の成績を残している。

常識を覆す創意工夫で世界一に輝く

 その功績は、これら成績以上に大きい。

 ハンマー投げは、日本選手にとって、ハードルが高い種目として、長年、立ちふさがってきた。単純に言えば、パワーがきわめて重要であるからだ。相対的に見れば体の小柄な日本選手には不利であると思われていたし、事実、国際大会で上位に入ることは困難であった。

 そうした「常識」を覆したのが室伏氏だった。日本の選手の中では大柄ではあっても、海外の選手と比べれば、小柄な方に入る。にもかかわらず、世界一に輝くことができたのは、創意工夫にあった。

「オリジナルを作りあげなきゃ、世界では勝てない」

 ロンドン五輪の前年、こう語っていた通り、練習メニューも独特を極めた。

 投網を放っての練習、複数のハンマーを腰からつるしての歩行……一見、奇異にも思えるトレーニングの数々は、しかし、ハンマー投げを論理的に考え、思い描く理想に近づくために編み出したものだった。向上心と探究心から、オリジナルを作り上げた。

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