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奥川雅也を覚醒させたドイツ2部と
CL。ドリブル+得点力を追い求め。
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飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byAtsushi Iio
posted2020/08/14 18:05
![奥川雅也を覚醒させたドイツ2部とCL。ドリブル+得点力を追い求め。<Number Web> photograph by Atsushi Iio](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/9/7/700/img_97cc1e5043cd11899105e74a41fbd10275193.jpg)
“古都のネイマール”の異名で有名になった奥川雅也が、ドイツ2部で得点力を増すのだからサッカーは面白い。
レンタルで出て良かったなって。
――今振り返れば、良かったと思えるかもしれないけれど、当初は、最初からザルツブルクで活躍するつもりだったと思うから、「こんなはずじゃなかったのに」という想いもあったのでは?
「ありました、ありました。でも、ザルツブルクに残っていたら、試合に出られなかったかもしれない。レンタルで出て、自分が中心になって試合に出られて、それが成長に繋がったと思うので、やっぱり今は、レンタルで出て良かったなって思います」
――「ドイツがすごく良かった」ということですが、ホルシュタイン・キールは2部だし、ドイツ北部の辺鄙な場所にある。最初から良いイメージを抱けていたわけではないと思いますが。
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「レンタルで出されるのって、正直、プレッシャーがすごく大きいんです。結果を出せなければ、意味のないシーズンになっちゃうんで。だから、試合に出られるかどうかがすごく重要で。そんななかで移籍期限の最終日にホルシュタイン・キールからオファーが来た。情報は一切ないし、ドイツ2部のイメージもなくて。ただ、みんな、ドイツはいいって言うから」
僕だけ左サイドで張っているようにと。
――でも、ドイツ1部と2部は、また違う。
「そうなんですよね。自分でも最初は『2部でしょ』って思っていたんですけど、いざ行ってみたら、すごく面白いサッカーをしていて」
――どういうサッカーだったんですか?
「ポジションはあるんですけど、ローテーションでセンターバックが前に行ったり、FWが下がって来たりして、連動しながらポゼッションをするんです。その中で僕だけ左サイドに張っているように指示されて、僕に展開するようなサッカーで」
――じゃあ、戦術上のキーマンというか。
「だから、すごくやりやすくて。しかも、ドイツの2部はケルンだけは力が抜けているんですけど、それ以外のチーム同士は拮抗した内容になる。ホルシュタイン・キールのサポーターもすごく熱いんですよ。選手に対して親身になって、毎回いい言葉を掛けてくれたり、時に悪い言葉もぶつけられましたけど(笑)、今までにない充実感というか、サッカーをしていて楽しいな、と思いました」
――でも、小さな街なんですよね?
「めちゃめちゃ、ちっちゃいです。でも、サポーターはすごく熱狂的」