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『サッカーと感染症 Withコロナ時代のサッカー行動マニュアル』感染症対策にも戦術は必須だ。カギは空間把握と概念の共有。
text by

速水健朗Kenro Hayamizu
photograph bySports Graphic Number
posted2020/08/15 08:30

『サッカーと感染症 Withコロナ時代のサッカー行動マニュアル』岩田健太郎著 カンゼン 1300円+税
オーバーシュート、クラスター、ロックダウン、新たなカタカナ語が違和感とともに日常に入りこむ中、“ソーシャルディスタンス”はすっと入ってきた。この言葉が最新のサッカー用語だと言われても信じただろう。ファイブレーンシステム、ハーフスペース、ポジショナルプレー。この5年強でサッカー用語は変化した。このサッカーの戦術の更新期は、現マンチェスター・シティのグアルディオラ監督がもたらしたものだ。
そんなサッカーと感染症の関係について論じたのが本書で、著者は感染症医の岩田健太郎。クラスターが発生していたダイヤモンド・プリンセス号に乗船した岩田は、現場でのゾーニングの不備を指摘。ただ、それが原因となりたった2時間で下船を命じられる。告発の必要性を感じ、YouTubeで内情を伝えた彼の報告に世界のメディアが注目した。
