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『アナリシス・アイ』
ペップを見抜いた筆者による
サッカーを観るための物差し。
text by

五百蔵容Tadashi Ihoroi
photograph bySports Graphic Number
posted2019/07/23 07:30
『アナリシス・アイ』らいかーると著 小学館新書 800円+税
ジョゼップ・グアルディオラの率いるFCバルセロナがサッカー史に登場したのは、今を遡ること11年前、2008-'09シーズンのことでした。ボールを失った直後、激しいプレッシングで即時奪回。攻守の切り替え局面をことごとく制し、相手を巧みに動かすスピーディなパスワークでゴールを陥れる。高い強度のプレーを、あらゆる試合で繰り返し続ける彼らは世界を席巻。そのサッカーは、アリゴ・サッキのゾーンプレッシングに匹敵する「革命」と称されました。
グアルディオラのチームのプレースタイル、局面を彩る戦術ひとつひとつは、決して「革命」的ではありませんでした。彼のもたらした「革命」の本質、それは〈サッカーにおける知の統合〉。現代サッカーに既に存在していた様々な要素・戦術を矛盾なく結びつけ、淀みない円環を成すゲームモデルを実際に作り上げ勝利し、具体的な方法論を示したのです。
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