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ボクシング興行再開の現状と課題。
リング上は活況、経済的には……。 

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渋谷淳

渋谷淳Jun Shibuya

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photograph byHiroaki Yamaguchi

posted2020/07/28 11:40

ボクシング興行再開の現状と課題。リング上は活況、経済的には……。<Number Web> photograph by Hiroaki Yamaguchi

木村蓮太朗のデビューなど、選手たちは明るいニュースを届けてくれている。それだけに興行の行方が心配だ。

外国人選手は引き続き呼びづらい状況。

 一方で相変わらず手放しでは喜べない現状にも直面している。

 たとえば外国人選手の問題だ。再開興行には外国人選手が1人も出場しておらず、入国規制の状況によって、今後もしばらくは外国人選手が呼べない(もしくはとても呼びにくい)という状況が続くと予想される。

 東洋太平洋やWBOアジアパシフィックのタイトルマッチは、基本的に外国人選手が相手になるし、世界ランカークラスの実力者の相手ができる日本人選手はなかなか見つからない。大橋会長は「タイトルマッチだけでなく、アマチュア出身選手の試合を組むのも難しくなる」と心配している。

ギリギリのラインを模索するしかないのだ。

 言うまでもなく、客を入れられない、あるいは大きく間引くという状態は主催者にとっては赤字覚悟の興行を強いられることを意味する。こうした興行を続けられるのは体力のあるプロモーターだけだ。それも長引けばかなりつらい状況になってくるだろう。

 だからといって手をこまねいて興行を打たないのでは、前に進むことはできない。ギリギリのところを探って安全を確保し、試合を組んで選手をリングに上げ、何かあれば一歩退いて、さらにまた前進を繰り返すしかないのだ。

 新たなスタートをきったボクシング界に期待したい。

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