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エスパルス初勝利は急上昇への兆し?
クラモフスキーが掲げる超攻撃主義。 

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望月文夫

望月文夫Fumio Mochizuki

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photograph byJ.LEAGUE

posted2020/07/27 11:40

エスパルス初勝利は急上昇への兆し?クラモフスキーが掲げる超攻撃主義。<Number Web> photograph by J.LEAGUE

7戦目でようやくつかんだ初勝利を挙げた清水エスパルス。選手たちからは安堵の表情も窺えた。

好調ムードが一転した中断明け。

 その良好な感触がさっそく形になって現れたのは、2月23日のリーグ開幕戦だった。昨季最後まで優勝争いを演じたFC東京を終盤まで1-0とリード。善戦むなしく終盤にまさかの逆転を許した(1-3)が、その戦いぶりには十分なインパクトがあった。

 直後に新型コロナウイルス感染拡大の影響でリーグ戦は中断したものの、大都市圏よりも活動停止期間が短く済んだことに周囲はアドバンテージを感じ取っていた。ところが、「上位争い、いやV争いも」と期待の高まっていたサポーターたちは、約4カ月半の中断期間明けに「まさか!」「なぜ?」を連発することになってしまう。

 開幕2連敗でもクラブワーストだったが、その数字は5まで伸びて、気がつけば最多失点で最下位に低迷していた。

確信が自信に変わった大分戦。

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 潮目が変わったのは、第6節アウェーのサガン鳥栖戦だ。クラブでは外国人初の背番号10をつけた今季加入のFWカルリーニョス・ジュニオが来日初ゴールで先制。結果は1-1のドローで、ようやく連敗が止まった。選手たちが「この勝点1を次(の勝点3)につなげたい」と口を揃えたのは、目指しているサッカーに確信が持てたからだろう。

 白星という結果は出なかったものの「目指すものはこれまで通り」とブレない姿勢を強調する指揮官に、「必ず良い結果を出せると信じている」と選手も同調した大きな意味のある勝点1だった。

 その確信を自信とするために勝点3を目指した大分戦。立ち上がりから清水の選手の動きは違っていた。対戦相手の大分・片野坂知宏監督は「何としてもホームで勝ちたいというアグレッシブなプレーが多かった。その勢いと強さを感じた」と敗戦理由を語り、ようやく勝点3を手にしたクラモフスキー監督は「良いパフォーマンスを出せた。選手を誇りに思う」と満面の笑みでイレブンを称えた。

【次ページ】 主力組の復帰、レギュラー争いも激化。

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#清水エスパルス
#ピーター・クラモフスキー

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