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エスパルス初勝利は急上昇への兆し?
クラモフスキーが掲げる超攻撃主義。
posted2020/07/27 11:40
text by
望月文夫Fumio Mochizuki
photograph by
J.LEAGUE
開幕から厳しい戦いが続いていた清水エスパルスが、一転V字回復を思わせる豪快な試合を見せつけた。
7月26日J1第7節ホームでの大分トリニータ戦、序盤から攻勢を仕掛けると前半41分にCKからDFファン ソッコが頭で押し込んだのを皮切りに、後半39分までに今季最多の4得点。終了間際に冷や汗ものの2失点は許したものの、これまでとは別チームのような試合展開で4-2と快勝。2005年と'19年に並ぶクラブ史上もっとも遅い第7節での初勝利だった。
今季始動からすでに6カ月。選手たちが心からの笑顔を見せるまで、実に長い道のりだった。
新体制は「充実」のスタート。
今季当初はチームには大きな期待が渦巻いていた。オレンジ軍団の新指揮官として就任したのは、昨年コーチとして横浜F・マリノスをリーグ頂点に導いたオーストラリア出身のピーター・クラモフスキー監督。勝者のメンタリティーを有した指揮官は、目標を問われるたびに「トロフィーを手にすることだ」と早くからタイトル獲得へと照準を合わせていた。
昨季は最終節まで残留争いと苦しんだ選手やチームの反応も良好だった。
連日繰り返される高い強度の練習に、「開幕前にこんな充実した時間を味わったのは、プロ生活7年目にして初めて」とはMF金子翔太。ベテランFW鄭大世も「負荷の高い練習に充実感と可能性を感じる」と、今季への期待は膨らみ続けていた。