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エスパルス初勝利は急上昇への兆し?
クラモフスキーが掲げる超攻撃主義。
text by
望月文夫Fumio Mochizuki
photograph byJ.LEAGUE
posted2020/07/27 11:40
7戦目でようやくつかんだ初勝利を挙げた清水エスパルス。選手たちからは安堵の表情も窺えた。
終盤の2失点は課題だが。
チームとして何より期待されるのは、新指揮官が目標として掲げる超攻撃的サッカーが確立していくことだ。GKも高い位置を保ち、両サイドバックを含め積極的に攻撃参加する。素早い切り替えから相手ボールを高い位置で奪い、相手を圧倒する試合展開で勝点3を重ねていく。大分戦はまさにそんなサッカーの息吹を感じさせた。前線だけでなく、中盤も最終ラインからも積極的に攻撃参加し、放ったシュートは相手の4倍の16本。理想としているサッカーに一歩近づいたことを確信できる一戦だった。
とはいえ、終盤まで4-0と圧倒しながらも終了間際の2分間に2失点したのは大きな課題だ。DFファン ソッコは「チームとしてどういうプレーをするべきなのか」と快勝にも堅い表情を見せ、リーグワースト失点だった昨季からの宿題がまだ残っていることを思い出したようだった。
昨季までの消極的なサッカーから攻撃的サッカーへの切り替えは簡単なことではない。まさに生みの苦しみを味わっている清水だが、初勝利を機に一気に上昇へと転じる可能性は十分にある。
たかが1勝、されど1勝。新生オレンジ軍団はここからどんな戦いを見せてくれるのか。