オリンピックへの道BACK NUMBER
日本発祥のケイリン、いざ復権へ。
金メダル請負人が求めた個の覚悟。
posted2020/06/07 19:00
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
AFLO
6月4日、日本自転車競技連盟はトラック種目の東京五輪日本代表6名を発表した。
男子ケイリン、スプリントに新田祐大、脇本雄太。女子ケイリン、スプリントに小林優香。男子オムニアムは橋本英也、女子オムニアム、女子マディソンには梶原悠未、女子マディソンに中村妃智という代表メンバーの陣容になった。
これまで苦しんできたトラック種目だが、見渡してみると、楽しみなメンバーがそろった感がある。
中でもケイリンは、抜本的な強化の変更のもと、どのような戦いができるのか注目を集める。
日本発祥の種目としては柔道以来2つ目。
ケイリンは2000年のシドニー五輪において採用され、日本発祥の種目としては柔道以来2つ目の五輪種目となった。発祥国としての誇りもあり、柔道同様、金メダルを目標に掲げ、挑んできた。
だが、2008年北京五輪こそ永井清史が銅メダルを獲得したが、それが唯一のメダル。2012年のロンドンは渡邉一成が11位、2016年のリオデジャネイロでは脇本が13位、渡邉が21位と苦しい戦いを強いられてきた。
ケイリンの基となったのは競輪であり、プロ選手の層も厚い。ルールなどにおいて、ケイリンと競輪とでは異なる部分があるとはいうものの、跳ね返され続けてきた。
ただ、東京五輪では、そのままというわけにはいかない。競輪の人気も下降傾向にあり、オリンピックでの活躍は再び火をつける材料となり得るだけに、強化の見直しが図られた。
リオが終わったあとの2016年10月末、新しい強化体制が発表された。