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「#スポーツを止めるな」の可能性。
各界トップランナー12名が白熱議論。 

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多羅正崇

多羅正崇Masataka Tara

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posted2020/06/04 11:40

「#スポーツを止めるな」の可能性。各界トップランナー12名が白熱議論。<Number Web> photograph by NumberWeb

トークイベントを主催したSCJ代表理事・中竹竜二氏(左)、「#ラグビーを止めるな2020」を作った元ラグビー日本代表の野澤武史氏(右)と廣瀬俊朗氏。

野澤氏が話した興國高校の活用例。

 ラグビーの野澤氏が興味深いSNSの活用例を挙げていた。

 大阪・興國高校ラグビー部の伊藤矢一監督は、選手にプレー動画を作成させているという。生徒は自身のプレー動画制作を通して、自身をリクルーター目線から客観視することになる。

「伊藤監督は『この動画を見てリクルーターはどう思うか』と問いかけるなどし、選手の成長に繋げているそうです。今回の動画投稿を生徒を成長させるツールとして活用している良い例です」

 会の終盤にはコロナ禍における秘蔵アイデアも次々に飛び出した。

 バレーの大山さんが明かした「選手側に送ってもらった試合映像に、実況と解説をつけてプレゼントする」というアイデアは、参加者から絶賛の嵐。

 またBリーグ・東京エクセレンスのGMでもある宮田氏は、中止になったトライアウトを、選手提供のハイライト映像で代替するというアイデアを披露した。

 このアイデアに大学スポーツ協会の椛沢氏が反応した。現在222大学と34の競技団体が加盟する統括団体として、スカウトの手助けになるシステムの構築をしたい希望を明かしたのだ。

「UNIVASとして、映像をプールして見てもらうようなシステムは率先して作りたいと考えています」

 そこへいけば各競技の選手映像が見られる夢のシステム。いつか実現すれば、スカウト活動が一変するのかもしれない。

いま大人ができることは何か。

 ただ今回の「#スポーツを止めるな2020」は、スカウトの網にかかるスポーツエリートのみを対象としたプロジェクトではない。大学スポーツ協会の椛沢氏は、学生の進路にまつわるこんなデータも明かしていた。

「日本では1学年約45万人が高校でスポーツをしていますが、大学になると1学年5万人。9人に1人しか続けていません。3月に行ったアンケートでは、実業団やプロで続ける子はさらにその7.5%でした」

 プロや社会人でスポーツを続ける選手はごくわずかだ。残りの大多数を含めたすべての子供達へ、いまスポーツ界はどんなアプローチをすべきなのか。それともスポーツは新型コロナウイルスに翻弄され続ける存在なのか。

 会の締めくくりに、チアの石原さんは「大人がスポーツを諦めてはいけない」と決然と語った。

 コロナ禍で思うように活動できない子供たちへ、いま大人ができることは何か。

 ラグビーの野澤氏は語った。

「今日という日が『#スポーツを止めるな2020』のスタートになれば嬉しい」

 スポーツの可能性を信じ、模索する大人たちの挑戦は号砲が鳴ったばかりだ。

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