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「#スポーツを止めるな」の可能性。
各界トップランナー12名が白熱議論。 

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多羅正崇

多羅正崇Masataka Tara

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posted2020/06/04 11:40

「#スポーツを止めるな」の可能性。各界トップランナー12名が白熱議論。<Number Web> photograph by NumberWeb

トークイベントを主催したSCJ代表理事・中竹竜二氏(左)、「#ラグビーを止めるな2020」を作った元ラグビー日本代表の野澤武史氏(右)と廣瀬俊朗氏。

競技によって違うSNSの距離感。

 まず明かされたのは、各競技のリアルなSNS事情だ。

「学校でSNSを禁止しているチームも多い」
「高校生にとってSNSは仲間内のツールにすぎない」
「SNSから自分の価値を発信する意識は薄い」

 SNSから未来が拓けるリアリティが高校生にない。そもそも許可がなければ投稿すらできない――。

 さまざまな理由から苦戦する競技が多いなか、異彩を放ったのがインスタグラムでの投稿を呼びかけているチア界だ。ハッシュタグが広まり、積極的な投稿が続いているという。

「チアダンス、チアリーディングは共に表現するスポーツ。もともとチームでも個人でも投稿が盛んでした」(石原さん)

 競技によってSNSとの距離感がまったく違っていた。

 参加者で唯一の高校教員、関大北陽で教鞭をとるハンドボールの吉田監督は「学校ではSNSの怖さを全体に教育します。個人情報を載せることはひとつのハードル」と現場感覚を明かした。

 ただ、エストニアでのプレー経験もある吉田監督は、「私はプレー動画をダビングして海外に送っていました。今はハッシュタグをつければ全世界の人が見られます。生徒には『自分の扉は自分で開け』と伝えたい」と熱く語った。

自分の手で運命を切り開く力。

 動画投稿がスカウトに繋がることがすべてではない。自分の手で運命を切り開く力を身につけてほしい。その想いは多くのパネリストが共有していた。

 バスケの宮田選手兼GMが「能動的な力を身につけることがスポーツを続ける上で重要」と語れば、柔道の羽賀も力強く加勢した。

「リクルートに繋がるかどうかは別として、自分を発信する力は必要だと思います。僕は高校生に『本当に行きたいところがあるなら、そこの監督宛てに手紙を書いていい』と伝えています」

「パワフルカナ」の愛称で親しまれたバレー界の大山さんは、Vリーグ監督の話として「動画が挙がれば必ず見ると言っていた」と投稿を呼びかける一方で、長所を発見するきっかけにしてほしいと期待を寄せる。

「動画をアップする、しないに関わらず、自分の良さを認識するきっかけになってほしい。謙虚を良しとする風潮がありますが、長所に気付いて発信することは、今後の人生にとっても大事だと思います」

【次ページ】 野澤氏が話した興國高校の活用例。

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