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長谷川唯がコロナ禍の中で見出した、
なわとびとサッカーの共通点って?
posted2020/06/04 20:00
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph by
Sports Graphic Number
外出自粛でのリモートワークが続き、運動不足が進んでしまった。もちろん持久力は落ち、反比例するように体重は……。筆者のような生活スタイルがなじんでしまった人も多いのではないか。そろそろ少しは体を動かさなきゃなあ、と思いながら家でゴロゴロSNSを見ていた5月はじめ、「何じゃこりゃ」という動画に出くわした。
「できた人はタグ付けして是非是非見せて~ インスタやってる人はインスタへお願いします笑 #なわとびリフティングチャレンジ」(本人ツイッターより。絵文字省略)
発信主は長谷川唯選手(以下、敬称略)。日テレ・東京ヴェルディベレーザ、そして今後のなでしこジャパンを背負って立つと期待されるフットボーラーである。
で、彼女の動画を見てみる。さすがの足技を見せつつ、手にはなわとびを持っている。リズムよくリフティングを始めると、なんと片足跳びでボールコントロールしながら、軽々と跳んでるじゃないか!
この“おうち足技”は瞬く間に拡散し、目にしたサッカーファンも多いだろう。そして「よし、人のいないところでチャレンジしてみようか」と思った人も――。
なわとびリフティングは、難しい!
しかし実際にやってみると、これがまためちゃくちゃ難しいのである。
縄にボールが当たるか、リフティングが上手くいっても足に縄が引っかかる。そもそもボールコントロールすらままならない筆者は論外だが、小学生とみられる子供たちがチャレンジに成功した動画を長谷川のアカウント宛に返信している様子を見て、ただただ感嘆しきりである。
なんでこんな風にうまくボールとなわとびを扱えるのか。なわとびは外でプレーできない期間の有効なトレーニングになったのか聞いてみよう。そう取材準備を進めていたら、今度はチームメートを巻き込んで“大なわとびリフティング”をする動画が。
難易度がどんどんアップしていってる……。彼女の進化がとんでもないレベルに行く前に、こちらも知見を蓄えねば。
まずは、なわとびの運動効果について知ろう。取材を申し込んだのは「日本なわとび協会」だ。事務局の戸田克さんは、教員生活と並行してなわとびの普及に努めている。