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長谷川唯がコロナ禍の中で見出した、
なわとびとサッカーの共通点って?
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph bySports Graphic Number
posted2020/06/04 20:00
リフティングしながら大なわに挑む長谷川唯選手。SNS上では物凄い反響!(日テレ・東京ヴェルディベレーザ長谷川唯選手Twitterより)
試合がないから、できることもある。
さあ知識を蓄えたので、長谷川にオンラインで体験談を聞いてみよう。「この運動の良さを表現してくれた、長谷川選手にはとても感謝しているんですよ」と戸田さんも話していたわけだし。
「そうなんですか!? よかったです。多くの人たちにやってもらいたいなと思います」
長谷川に戸田さんの言葉を伝えると、こう快活な笑顔で喜んでくれた。
新型コロナウイルスは、女子サッカーにも影響を及ぼしている。東京五輪の延期はもちろん、なでしこリーグはベレーザの6連覇が懸かる中で、開幕日がようやく7月18日に決まった。しかし緊急事態宣言の中でも長谷川は、2019年の女子W杯などで課題として感じた肉体的な強さを磨いていた。
「週2~3回程度は自宅でウェイトトレーニングをしていました。試合がないからこそ取り組めることもあるかなと思っていました」
なお自宅の庭には人工芝を敷いて「軽くボールを蹴ること」はできていたそう。その流れでなわとびリフティングが生まれたというわけだ。
仲のいい選手と話し合いながら。
で、そもそもなんですけど、なぜなわとびリフティングをやろうと?
「きっかけは、いろんな人が“リフティングチャレンジ”をアップしているのを(SNSで)観ていたんです。あんまりそういう足技が得意ではないということもあって、以前から“楽しくやる”程度で、なわとびをトレーニングに取り入れていたんです。それもあって、リフティングと組み合わせてやってみよう! と始めたんです」
実は長谷川は埼玉県戸田市出身。なわとびが盛んな地域育ちということもバックボーンにあったのかもしれない。
「仲のいい選手と連絡を取りながら、どうすれば上手くできるかと話し合って挑戦しました。2日後に、ボールを上げるところから上手くできたのでSNSに載せました。そうしたら、ここまで皆さんに『すごいです!』、『やってみたいです!』という反応をいただけたり、チャレンジした動画を返信してくれたり。お子さんや大人の方も、皆さん結構できるんだなと驚きました(笑)。
それもあって、ほかになわとびシリーズでできないかなと思って、リズムを変えてやったり、大なわとびのような形にしたりしてやってみました。最初は全然できなかったんですが、何回かやっていくうちにタイミングがつかめたので、『じゃあこれも載せてみよう!』となりました」