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バスケ&ラグビー界のリーダー対談。
今、人生を豊かにするチャレンジを。 

text by

多羅正崇

多羅正崇Masataka Tara

PROFILE

photograph byL:SUNROCKERS SHIBUYA R:Hiroki Takami/ShiningArcs

posted2020/05/18 17:00

バスケ&ラグビー界のリーダー対談。今、人生を豊かにするチャレンジを。<Number Web> photograph by L:SUNROCKERS SHIBUYA R:Hiroki Takami/ShiningArcs

共通点が多いことで実現した両リーグを代表するリーダー同士の対談。自粛ムードが続く中、前向きなメッセージを送ってくれた。

互いに感じた「リーダー」のオーラ。

  石井さんと出会ったきっかけは、メンタルトレーナーが同じだったことですよね?元競輪選手の小沼健太郎さん。

石井 そうですね。病院の会議室で初めて会った時に「キャプテンぽい!」と思いました(笑)。醸し出しているオーラや考えが「リーダーだな」と。

  僕は石井さんの振る舞いをみて「上には上がいるな」と思った。リーダーとして千葉ジェッツ時代を含めて天皇杯を4連覇しているし、この人から学びたい、と思ってました。

石井 自分はキャプテンではなくて、高校(千葉・八千代)大学(東海大)社会人(富士通)と千葉ジェッツ、そしてサンロッカーズ渋谷でも副キャプテンです。高校3年生の時、キャプテンが怒られて1カ月だけ代役をしたくらい(笑)。

  「副キャプテン道」は聞いてみたい。副キャプテンとしてのこだわりはありますか?

石井 キャプテンがチームの意志だと思うので、話し合っても最後はキャプテンに言ってもらったり、キャプテンが熱いタイプだったらトーンを変えて伝えたり。あとは、視点が違うので、「いまは選手同士で話し合うべき」と気付いたら提案をしたり。

  こんな副キャプテンがほしい(笑)。

キャプテンが求める副キャプテン。

石井 金さんは中学時代からキャプテンだったと思うんですけど、副キャプテンにはどんな役割を求めてますか?

  中学(啓光学園中学)高校(常翔啓光学園)、あと現在のNTTコミュニケーションズではキャプテンになって5年目ですが、大学時代(早稲田大)は副キャプテンでした。その時の経験から言うと、冷静で視野が広い人ですね。僕自身、当時はキャプテンとは違う視点を持つようにして、キャプテンが感情的になっていたら冷静になるように心掛けてました。

石井 自分も闘志を出して引っ張っていくタイプではないので、そこは人に任せてます。

  僕は社会人3年目くらいまでそのタイプでした(笑)。ガツガツ系のリーダーシップが絶対に正しいと思っていた。

石井 でもカリスマ性のあるリーダーはひと握りしかいない。

  本当にそうですね。ましてやラグビーの社会人チームには選手が50人くらいいて、1人でまとめるのは無理なんですよ。そこで人に役割を与えて、能力を引き出すように自分を変えたら、他の選手にもリーダーシップも育って、チームも自分もパフォーマンスが上がっていった。

石井 それは共感しますね。1人だけでがんばらず、他の選手も行動していかないとチームとしての結果もついてこない。

  こちらから人を変えようとしても、本当の意味では人は変わらない。もし変わってほしいのであれば、自分が変わらなければいけない。僕はここ数年で、「変わってほしい」と伝える前に自分が変わろう、という優先順位になりました。優先順位をつけるのが上手になったのは、内勤で総括業務をしていた社員時代のおかげかもしれない(笑)。

石井 プロになる前、自分は富士通でシステムの営業をしながら3年間プレーしました。その時も副キャプテンをしましたが、「なんでそんなミスをするんだ」とよく言ってましたね。みんなが通る道なんですね。

【次ページ】 外国人選手とのコミュニケーション。

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