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白樺学園、鶴岡東、健大高崎。
3校が複数投手性を選んだ契機。

posted2020/05/11 07:00

 
白樺学園、鶴岡東、健大高崎。3校が複数投手性を選んだ契機。<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

左から白樺学園の戸出直樹監督、鶴岡東の佐藤俊監督、健大高崎の青柳博文監督。

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田口元義

田口元義Genki Taguchi

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 新型コロナウイルスの影響により、史上初の中止となったセンバツ高校野球。発売中のNumber1002号の野球特集「今だからできること」では、出場予定だった高校にアンケート取材をお願いした。

「今回のセンバツでは、初めて『500球/週』の投球制限が適用されるはずだったが、どう対応しようと考えていたか?」

「高校生投手の育成方針は?」

 こんな「投手」にまつわるアンケートに28校のエース、監督が回答を寄せてくれた。が、その回答でわかったことは、ほとんどすべてのチームが複数投手による起用を実践しているということだ。

 センバツでの投球制限に象徴されるように、近年の高校野球は、故障予防の観点から投手の分業制を推進する声が多い。とはいえ、指導者たちは時勢のみで投手起用を形成しているわけではない。今回、過去の「痛み」と向き合いつつ、複数投手による分業制を採用する3つの高校の監督に注目した。

白樺学園の2枚看板。

「甲子園に出られた年というのは、2枚看板の能力が高かった。ですから、様々なタイプのピッチャーを育成する、試合で起用することは大事なんだな、と感じています」

 そうしみじみと答えてくれたのは、夏は3度の甲子園出場経験があり、この春にチームを初のセンバツ代表校へと導いた、白樺学園の戸出直樹である。

 現在のチームも、エースの片山楽生に2番手の坂本武紗士の安定した投球で、昨秋は全道大会を制した。複数投手の重要性を結果で証明する戸出も、かつては「絶対エースのような大黒柱を育てようとしていた」と漏らす。

【次ページ】 大黒柱に頼り切ってしまった。

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