話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
「やべっちF.C.」の19年と未来。
「Jリーグにこれからも恩返しを」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byTV asahi
posted2020/05/10 20:00
周りのキャスターやアナウンサーが変化しても、ゆるめの雰囲気が続くのも矢部さんの個性なのかもしれない。
DAZNとの協力体制も構築中。
――矢部さん特選の「サブイボ賞」は独特ですね。
「今は1年を通してサブイボのコーナーをやっているので、そこで選んだ選手の中から選出しています。サブイボの選考基準は、王道ではないところ(笑)。ミドルシュート、ドカンと一発というのにはいかない。ワントラップのうまさとか、ひとつ前のパスのセンスとか、矢部さんのパサーとして感覚が選考に反映されていると思います」
――今は、YouTubeやインターネット放送が盛んになり、地上波のサッカー番組作りが難しくなってきているということもありますか。
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「DAZNが出来て、Jリーグ、海外リーグなど多くの試合を見られるようになったので、自分たちはそこにプラス何を作れるのかが今後、問われていくと思います。この番組を見たから得をしたとか面白いとか、そういう企画を作れないと生き残れないでしょう。
ただ今後は、これまでのように競争ではなく、共存になっていければと思いますね。たとえば今は、試合がないという共通の悩みをサッカー中継とサッカー番組が持っています。試合がなくてもサッカーを盛り上げていくためには何ができるかということを考え、番組提供社であるDAZNでも『デジっち完全版』をJ1全クラブ分視聴できるようにしていただきました。
今後はDAZNが持っているコンテンツを『やべっちF.C.』の放送で活用したりし、お互いにいいところを使って、サッカー界を盛り上げて行きましょうという流れになっていければいいかなと思いますね」
自粛は新しいものが生まれるチャンス。
――今回のコロナ禍が今後の番組作りに何かしらの影響を及ぼすと思いますか。
「試合がないのは本当にキツイですね。ただ、僕たちは、コロナの影響をネガティブにとらえているだけではありません。試合がないので、頭をひねって企画を考えないといけない。
先日、ZoomでJリーグの選手6人が座談会を放送したんですが、以前ならスケジュール調整や距離もあって簡単にできなかった。でも今回、オンラインで可能になった。あれは平時では生まれてこない企画だと思うんです。まだまだ厳しい時期が続きますが、新しいものが生まれていくチャンスなので、このチャンスを次に活かしていかないといけないと思っています」