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日本ラグビー、2023年へ膨らむ期待。
頼もしい若きジャパンの「優勝」。 

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大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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posted2020/03/17 11:40

日本ラグビー、2023年へ膨らむ期待。頼もしい若きジャパンの「優勝」。<Number Web> photograph by Zoomfiji

パシフィック・チャレンジ2020で初優勝を飾ったジュニア・ジャパン。今回は6月から行われるU20世界選手権に挑むメンバーを中心に構成した。

4連覇中のフィジーに快勝。

 さて、そうして臨んだパシフィック・チャレンジ2020。

 ジュニア・ジャパンは初戦でトンガAを46-10、第2戦ではサモアAを76-3と快調に2連勝。最終戦ではやはり2連勝してきた、昨年まで4連覇中のフィジー・ウォリアーズと対戦し、21-12で快勝したのだ。

 相手チームの編成に関する詳しい情報は手元にないが、ワールドラグビーが配信した映像をYouTubeで見た限り、身体の大きさ、胸板の厚さ、足の速さ、腕の長さなど、フィジカルな条件はほぼフィジーが上回っていた。会場もフィジーのスバ。当日は悪天候でキックオフが40分遅れるというアクシデントも発生しながら、試合開始時は強い日差しが注いでいた。
 
  日本にとってはこれ以上ないほどの完全なアウェー条件が揃った中でキックオフされた試合だったが、日本はブレイクダウン、コンタクトエリアで互角以上に渡り合い、ディフェンスではワールドクラスのポテンシャルを持つフィジーのアタックに鋭い反応、献身的なバッキングアップで2トライに封じ込め、攻めては少ないチャンスを確実に得点に結びつけた。

 さらに攻守の起点を支えたのが力強いスクラム。フィジーの高速アタックにさらされても、粘ってセットプレーに持ち込めば、FWが優位性をしっかり作ってくれる。好循環の試合だった。

2023年につながるメンバーはいるか。

 特筆したいのは、外国出身選手が少ない、ほとんどが国産選手による編成で勝ちきったことだ。今回のジュニア・ジャパンは選手28人に外国出身選手は2人。決勝ではトンガ出身で高校から日体柏高に留学したハラトア・ヴァイレア(日体大2年)のみだった(サモア戦ではナイバルワガ・セタ=フィジー出身、天理大1年=が出場)。ダイバーシティの持つ力を体現した今年ワールドカップの多国籍日本代表の価値はまったく否定しないが、外国出身選手のサポートが少ない中で、フィジーという強敵に勝ちきったことは国産若手選手のポテンシャルを再認識させる意味があった。

 気になるのは、このメンバーから、次の国際舞台に飛び出してくるのは誰かということだ。2023年のワールドカップフランス大会で世界と戦う選手はいるのか。

【次ページ】 判断が光ったSH藤原、SO丸山。

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藤原忍
丸山凛太郎
相良昌彦
李承信
木田晴斗
ハラトア・ヴァイレア

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