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日本ラグビー、2023年へ膨らむ期待。
頼もしい若きジャパンの「優勝」。
text by
大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph byZoomfiji
posted2020/03/17 11:40
パシフィック・チャレンジ2020で初優勝を飾ったジュニア・ジャパン。今回は6月から行われるU20世界選手権に挑むメンバーを中心に構成した。
判断が光ったSH藤原、SO丸山。
強力にアピールしたのはハーフ団だ。
SH藤原は、強気なデシジョンメークでゲームを統率。田中史朗を思わせる、闘志を前面に出していく姿勢が魅力だ。決勝となったフィジー戦では、相手ゴール前の密集から絶妙のフェイントを入れてからのパスでWTB木田晴斗(立命館大2年)のトライをアシストするなど、緩急をつけた相手との駆け引きが光る。若手SHでは大学選手権で早大を優勝に導き、サンウルブズでも活躍する齋藤直人が2023年に向け期待を集めているが、藤原にも注目していきたい。
そしてSO丸山凛太郎(東海大2年)だ。持ち味はスペースを見つけるや瞬時に放つ攻撃的なキックパス。サモア戦では試合開始からの8分間に4度にわたり相手ゴール前タッチライン際にできたスペースにキックパスを放ち、4発目が先制トライに繋がった。ラグビーではキックパスやドロップゴールの多用はチームのリズムを崩すケースも多く両刃の剣だが、丸山はそんな尺度を超越。デンジャラスゾーンを発見するやボールを右へ左へ瞬時に運び、スリリングな攻防が連続する「凛太郎ワールド」に引きずり込むのだ。
司令塔争いに胸が高鳴る。
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2023年ワールドカップを狙う若き司令塔たちは、当欄でも書いた。早大を大学選手権優勝に導いた岸岡智樹、その早大と決勝で死闘を繰り広げた明大の山沢京平、全国高校大会で桐蔭学園を初の単独優勝に導いた伊藤大祐。進境著しい彼らの躍動は日本ラグビーの希望だ。
さらに日本代表でもある松田力也、その松田と高校時代からしのぎを削ってきた山沢拓也、NTTコムでの安定した立場を蹴ってサンウルブズに挑戦した小倉順平。加えて、日本代表資格を得る日も近そうな神戸製鋼のヘイデン・パーカー、ヤマハ発動機のサム・グリーン……。2019年大会後に「役目は果たした」と代表引退をにおわせた田村優も、招集されればまだプレーする可能性はある。
目の離せない日本代表の司令塔争いに、丸山が食い込んでいくかどうかに注目だ。キーとなるのは、全員に共通するが、常に変わらないパフォーマンスを見せることだ。