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新中高生とその保護者に伝えたい、
ヤバい部活の見分け方とやめ方。 

text by

中澤篤史

中澤篤史Atsushi Nakazawa

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posted2020/03/17 08:00

新中高生とその保護者に伝えたい、ヤバい部活の見分け方とやめ方。<Number Web> photograph by AFLO

部活動の選び方は、学生生活の楽しさを大きく左右する。かしこく選び、合わなければ勇気を持ってやめるのも手なのだ。

親、学校の立場を考えると。

 では、親の立場ではどうでしょう。

 2020年のいま、中高生を育てている30代~40代の世代は、部活どっぷりの学校生活を過ごした世代です。日本で部活への加入率が急激に上がったのは1970年代で、それ以降に生まれ育った世代は、部活が「あって当たり前」だと思いがちです。その思い込みは緩める必要があると思います。

 さらに今の部活は、生徒加入率的にも活動時間的にも活動日数的にも、史上最高にタイトになっています。それを踏まえて「やり過ぎてない? 疲れてない?」と子どもの心身を気遣いながらサポートしてほしいですね。

「入部率」を上げようとする学校もありますが、私はそれは意味がない数字だと思っています。中学生や高校生にもなれば自分がやりたいことを自分で決める能力はあるはずなので、子どもたちが自由に選んだ結果として入部率が上がるならともかく、学校側が数値目標を設定するのは順番がおかしいのです。

 実際、入部率向上を数値目標にした学校や地域は、目標達成のために「強制加入」が進んでしまうこともあります。

スムーズに部活をやめる、あいまい戦略。

 しかし上記のようなことに気をつけてどんなに慎重に選んだとしても、トラブルが起こることはあります。本人の責任とは関係なく、人が多く集まる部活では避けられないことです。そこで突き当たるのが「部活をやめられない問題」です。

「部活選び」がこんなに重視されているのは、裏を返せば、いったん入ってしまったら転部や退部は難しいとみんなが思っているからでしょう。そしてその心配は、残念ながら当たっています。

 なのでここでは、部活をスムーズにやめる方法を紹介します。

 部活は、嫌になったらやめていいものです。しかし急にやめるのはやはりリスクがあって、学校に行きにくくなったり先生や他の子との関係がこじれるケースもあります。そこで私のオススメは「ぐずぐずとゆるやかにフェードアウトしながらやめる」というあいまい戦略です。

 まずは休部という形で1週間休む、そして1週間たったらそれをもう1週間のばす。そうやって、やめているのかやめていないのかわからない時間をつくる。そうすると、そのままフェードアウトすることもできるし、久しぶりにちょっと顔を出したら「よく戻ってきたな」ってすごい歓迎を受けることもあります。するとやっぱり復帰したい気持ちも出てくるかもしれませんね。

 大人でも子どもでも、意志決定は1回だけではないんです。時間をかけることで意志が固まっていくこともあるし、思い直すこともできるかもしれない。そのための時間を稼ぐのはとても有効な方法になります。

 保護者の目線では、子どもが「やめたい」と言うのはよっぽどの事態ですから、まずは「そう思ってたのか、教えてくれてありがとう」と受け止めるのが大事です。

 また受け止めたとしても、「じゃあやめなくて済むように、どうやったら問題を解決できるだろう」と、なんとか続ける方向に誘導しようとしてしまいがちです。

 しかし、やめるにせよ続けるにせよ、最初から勝手にゴールを設定するのはよくありません。むしろ大胆に、「よしわかった、やめ方をいっしょに考えよう」と発想を変えてみるのもいいと思います。

【次ページ】 「代わりに何をするか」は後回し。

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